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車いすの“シェア”で子どもたちの学びをを身近に〜D-SHiPS32新規プロジェクト

3月5日、長野県東御市の滋野小学校でパラスポーツ体験会が行われ、認定NPO法人「D-SHiPS32」代表の上原大祐が講師を務めた。

パラスポーツ教育は全国各地にて関心が広まっているが、車いすなどの道具の準備に労力がかかるという課題があった。
そこでD-SHiPS32は日本財団の支援のもと、車いす8台を購入。カーシェアリングのように、地域に車いすをシェアをすることで体験会の開催をより行いやすくする「車いすシェアによる地域連携型パラスポーツ教育プログラム」を発足し、今回はその1回目となった。

この日は午前中、東御市役所にて花岡利夫市長、田丸基廣副市長、上原による「スポーツ用車いす貸与式」が行われ、サインと車いすの貸与、記念撮影が行われた。
この中で花岡市長は「私たちは東京パラリンピックに感動し、パラスポーツに興味を持つきっかけになった。東御市にはGMOアスリーツパーク湯の丸というトップアスリートのトレーニングセンターがあるが、このプロジェクトを通して子どもたちがもっとパラスポーツに触れてほしいし、素晴らしい機会になると思っている」と述べた。

午後は滋野小学校の体育館で上原による授業が行われ、自身がバンクーバーパラリンピック・パラアイスホッケーで獲得した銀メダルを出すと、児童からは歓声が上がっていた。
また上原は、「僕は立てないのでバスケットボールはできないが、車いすバスケットボールはみんなで一緒にすることができる。実は車いすスポーツこそ裾野の広いスポーツ」などと児童に伝えていた。

この後行われた体験会では、ポートボール(バスケットボールに似た競技で、ゴールネットではなく人に向かってシュートが渡ると得点)をクス間椅子でプレー。クラス対抗で点数を競いあった。

体験した児童は、「普段車いすを使わないので使い方が分からなかったけれど、分かってくると楽しかった。上原さんの話を聞いて、車いすに乗ってボールを投げたりぶつかり合うパラスポーツがあることに驚いた。パリへの楽しみが膨らんだ」と最後の挨拶で振り返った。

また、滋野小学校の青木健次教諭は「共生社会や福祉の授業は行っていたが、車いすスポーツの体験はこの学校では初めてのこと。子どもたちが白熱して、平等に活躍していたことがとてもよかった。また是非このプロジェクトを活用したい」と話していた。

このプロジェクトはしばらくは東御市役所に保管され、市内で自由に活用されていく仕組み。今後は全国にも展開し、上原本人が各地に出向く予定だ。