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実は受け手は困ってた!?みんなの知らない「絵文字」の世界🤞

こんにちは、データアナリストの小川知紘です。

突然ですが、
皆さんが普段よく使うその絵文字、相手にきちんと伝わっているでしょうか?

「雰囲気だから意味まで考えてない!」という方もいるとは思いますが、
その絵文字が実は相手を悩ませているかもしれません…
というお話です!


先日同僚がヤフーの検索データに絵文字が出てくることを発見し、社内で話題になりました。

・社内で話題になった画像

DS.INSIGHT(時系列キーワード機能)より

絵文字がそのまま出ることも驚きでしたが、そもそも絵文字を入力して検索されていること自体が驚きです!

ではなぜ絵文字を直接検索するのでしょうか?

色んな絵文字で調べてみたところ、先ほどのキャプチャ例と同じく「(絵文字) 意味」の検索がほとんどでした。
つまり「この絵文字来たけどどういう意味?」という意図の検索です。

ということは、検索データを使うことで人々を悩ませている絵文字を出せるのではないでしょうか!?


早速、直近1年間(2022年4~2023年3月)に「意味」と一緒に検索された絵文字ランキングを見てみました。
※対象とする絵文字一覧はhttps://w.wiki/3bzDより(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 令和5年3月30日利用)

ランキング結果がこちらです!

1位:🤞(HAND WITH INDEX AND MIDDLE FINGERS CROSSED)
→海外のハンドジェスチャーで「幸運を祈る」の意味

2位:🙃(UPSIDE-DOWN FACE)
→嫌味や皮肉を表すこともあるそうですが、基本は「特に意味はない絵文字」のよう

3位:😇(SMILING FACE WITH HALO)
→笑顔+「ポジティブ/ネガティブなどあらゆる感情を含めた絵文字」とのこと(私は愚痴を冗談っぽく言うときに使っていました)

4位:🥺(FACE WITH PLEADING EYES)
→「ぴえん(残念な時を表す絵文字)」でお馴染み。一方で英訳の通り「訴えかける/懇願する」意味も持つ絵文字であり、結局は広い意味で使われている絵文字のよう

5位:🙌(PERSON RAISING BOTH HANDS IN CELEBRATION)
→「万歳」を表す絵文字で、お祝いや喜びを表現する

改めて意味を調べてみると、たしかに意味が決まっておらず文脈や受け手次第で意味が決まる絵文字が多いように感じました。

また私は5位の🙌をよく使いますが、まさか意味が分からない検索の上位に入っているとは思いもしませんでした。
調べてみると、降参を表したりハイタッチしたりなど色々な意味が出て来ており、1つの意味が決まっている絵文字でも意味の変化が起きていることは非常に面白い発見でした。


では、性別・年代によって分からない絵文字に差は出るのでしょうか?
性別・年代に分けたランキングがこちらです。

やはり大体は先ほどの5つですが、このような特徴も見られました。

  • 🤞は若年になるほど出てきており、男性よりも女性の方が調べられている。

  • 😂(FACE WITH TEARS OF JOY)が男性26歳以降で出てきている。笑いながら泣いているので意味に困っている…?

  • 女性の若年寄りに🤘(SIGN OF THE HORNS)が出てきている。(英訳だと「角のサイン」ですが、「メタル/ロック」の意味が比較的多く出て来ました。ただ明確には分かりませんでした…)

性別・年代によって使われる絵文字が違う(意味が分からない絵文字が違う)のは、イメージ通りでもありつつ面白い結果なのではないでしょうか?


ちなみに今回の集計定義とは少し異なるので含めていませんが、36歳以降では「♂マーク 意味」「♀マーク 意味」も多く検索されていました。
調べてみると、古い端末などで新しい絵文字の表示に失敗すると「(既存の絵文字) ♂」のように組み合わせて2文字で表示されることがあるそうで、恐らくこちらが原因ではないかと考えられます。


性別・年代に分けることで調べられる絵文字に特徴が見えてきました。では、絵文字に年ごとの流行りはあるのでしょうか?
気になったので2018~2022年までの上位も見てみました。

すると、年によって大きな違いは見られませんが2020年は🥺が1位に来ていることが分かります。こちらは「ぴえん」の検索時期も踏まえて考えると、「ぴえん」の流行りの影響ではないかと考えられます。

・「ぴえん」の検索ボリューム月次推移

DS.INSIGHT(基本機能)より

2018年には上位に出現していないことから、🥺は流行りに合わせて使われるようになり、流行りが収まった後も自然と使われるようになったと言えそうです。

意味が分かる絵文字については検索には表れないため捉えることは難しいですが、最近よく使うようになった絵文字はもっと多くあるのではないでしょうか。皆さんも普段使っている絵文字の変化を考えてみると面白いかもしれません!


今回は検索データを使って絵文字をテーマに分析してみました。

本来の意味からの派生が起きていたり、文脈や受け手次第で意味合いが変わる様子も見られたりと、絵文字は言葉と同じく非常に奥が深いテーマだなと感じました🙃
これから絵文字を使うときには意味を意識してみてはいかがでしょうか🤞

筆者プロフィール
小川 知紘(おがわ ともひろ)
2018年よりヤフー・データソリューションの立ち上げに従事。
現在はDS.ANALYSIS(オーダーメイドの課題解決サービス)にて、クライアントに対する分析企画・アナリスト業務を担当。
副業として、幼児教室の先生 と 事業会社でのデータ分析 を行う。
データ分析が身近に感じられるネタでnoteを投稿中。

twitterもやっています。ご連絡はこちらまで→@tomohogawa
他note記事→アナリストの分析日誌

※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません

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