PC選びの過程を検索の時系列データから見る
こんにちは、データアナリストの中込攻太郎です。
早いもので気付けば3月下旬。もうすぐ新年度ということで、この機にパソコンを新しくしてみようという方も多い頃ではないでしょうか?
パソコンのような大きな買い物の時には慎重にしっかり調べてから買うことが多いですよね。
となればその調べ物の様子は検索データにしっかり出ているはず!
ということで今回は「新しいパソコンが欲しい!」と思った方がどのようにパソコンを探し選んでいくのか、その過程を「DS.INSIGHT」を使って調べてみたいと思います。
今回は以下のような流れで分析を行います。
「新しいパソコンが欲しい人」が検索する代表的な検索ワードを決める
まずは「新しいパソコンが欲しい人」が検索する代表的なワードの見当を付けます。
その見当を付けるために、DS.INSIGHT Peopleの「共起キーワード」機能からそれらしいキーワードを探してみます。
共起キーワードに「パソコン」を入力し、その後検索形式を「ランキング」に変更します。すると、「パソコン」を含む検索ワードが検索された回数が多い順にランキング形式で出てきます。
上から順に見ていくと、目に止まったのが「パソコン おすすめ」。これはおそらく新しいパソコンを欲しがっている人の検索でしょう!ということで今回はこの検索ワードを「新しいパソコンが欲しい人」が検索する代表的なワードとしてみます。
「パソコン おすすめ」の前後によく検索されている検索ワードを調べる
次に、「パソコン おすすめ」を調べた人がその前後にどういった検索をするのか調べてみます。
DS.INSIGHT Peopleの「時系列キーワード機能」を使うと、入力したワードを検索した前後によく調べられた検索ワードを見ることができます。
では早速、時系列キーワード機能に「パソコン おすすめ」を入れてみます。
こちらの図の見方としては、横軸の「期間」が0に近いほど「パソコン おすすめ」を検索した時間に近いタイミングで検索されていることを意味します。つまり、左から右に流れるような順番で調べていると言えます。
縦軸は「重複ボリューム」であり、「パソコン おすすめ」を検索したユーザのうちおよそ何人がそのワードを検索したかを表しています。
こうして結果を見てみると「パソコン おすすめ」を検索した後にたくさん検索がされていますね。また「パソコン おすすめ」検索前には「パソコン 電源 落ちる」など今使っているパソコンの不調を思わせる検索ワードや、「パソコン資格一覧」のようなパソコンを使ってやりたいことが示唆される検索ワードが見えます。
DS.INSIGHTの画面のダウンロードボタンを押すことで、データをcsv形式でダウンロードすることができます。
検索ワード群をいくつかのジャンルに分け、それらのジャンルの検索量や検索されるタイミングを可視化する
たくさんの検索ワードが出てきましたが、これをどう分析しましょうか。今回はこれらの検索キーワードをいくつかのジャンルに分けてみます。
DS.INSIGHTは集計データのダウンロードもできるので、ここから先はデータをダウンロードし、データ分析ツールを使って分析してみます。
私は普段Tableauというツールを使って分析していますが、ここは多くの方に馴染みのあるExcelを使ってみます。
Excelで「データ」タブからデータを読み込んだら、「出力キーワード」のジャンル分けを行います。ここでどのようなジャンルに・どのような方法で分類を行うかはその領域の知識や勘が必要になるかもしれません。私は実はパソコン自作をするほどのPC大好き人間ですので、その勘を頼りに分類してみます。
出てきた検索ワード1000語に一通り目を通した結果、今回は以下のようなグループに、特定ワードの部分一致のルールで1対1に振り分けを行うことにします。
・製品名
・メーカー
・販売店
・周辺機器
・スペック、機能
・価格関連
・PCの種類(例:mac、デスクトップ、ゲーミング、ノート、2in1)
・トラブル
・用途
・おすすめ
・その他
Excelに分類用の表を作り、それを使ってジャンル分けを行います。
ふう...大変でした。しかし一度このように分類のルールを作っておくと次に同じ分析をする時が楽になりますね!
ではこれらのジャンルの検索ワードが、どのくらい、どのタイミングで検索されているのか可視化してみます。
「ジャンル」毎に「重複ボリューム(合計)」と「検索時間差(中央値)」の集計テーブルを作成し、
次に「重複ボリューム」を縦軸に、「検索時間差」を横軸にした散布図を作成し、ラベルを付けます。
結果はこのようになりました。なかなかスッキリしましたね!
結果の分析
では可視化された結果を見てみます。
左から右に検索の時系列などを追ってみると、
・最初に「トラブル」や「用途」に関する検索がされ、そこから1日経たないうちに「おすすめ」や「価格」に関する検索
・その後に「PCの種類」について調べ、少し期間が空いて「メーカー」関連の検索
・更にその後「スペック、機能」について調べたり、具体的な製品について調べる
という流れのようです。段々と狙いのPCが具体的になってきている様子が分かりますね!
結果の解釈にも色々ありそうですが、私としてはなんとなく納得できる結果であるように見えます。
何かトラブルがあったり、パソコンで何かやりたいことがあると、まずはその日のうちに価格やおすすめ商品などのアバウトな調査に入り、そこから約1週間ほどかけて「PCの種類」「メーカー」「スペック・機能」「製品名」と具体性の上がっていく調べ方がされています。
特に「PCの種類」や「メーカー」については検索ボリュームも多く、次のジャンルまで間が空くことからも、よく調べられていると見れそうです。
購入にあたってのユーザーの検索行動が掴めると、「PCトラブルが発生したり、やりたいことが浮かんだPC選び初期段階の人を狙う」「PCの種類やメーカーの特徴を熱心に調べている段階の人を狙う」といった販促アイディアのヒントになるかもしれませんね。
終わりに
ということで今回はDS.INSIGHTを使って「パソコン購入」に関する検索の流れを可視化してみました。
今回の「パソコン」のように、検索がよくされるテーマについてはDS.INSIGHTは相性バツグンです。普段物事がどのように検索され調べられているのか、興味がある方はぜひDS.INSIGHTをお試しください!
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