今注目の要対策ポケモンは!? 世界大会出場者が分析するポケモントレンド
こんにちは、データアナリストの中込です。
先日イギリスのロンドンで開催されたポケモンワールドチャンピオンシップス2022のゲーム部門(ソード・シールド部門)に出場してきました。ポケモンの世界大会は3年ぶりの開催であり、ポケットモンスター ソード・シールド(以下ポケモン剣盾)を使った初の待望の世界大会となりました(私はDay1を6勝2敗で勝ち上がり、Day2で3勝4敗で敗退し、世界79位となりました)。
大会では人気の強力なポケモンを使う方や、あえてトレンドから外れたポケモンで独特な戦いを展開する方など、様々な選手が見られました。
対戦ゲームでは日々人気戦法のトレンド、通称「環境」が変化します。理不尽なように強く感じる相手と戦い、思わず「○○ 対策」と検索した経験は皆さんあるのではないでしょうか？
今回はその「対策」というキーワードに注目して、今世の中のみなさんが頭を悩まされている相手について分析してみようと思います！
今回はDS.INSIGHT Peopleを使って分析します。
キーワードランキングの表示
ではまず、直近一週間に検索された「対策」を含む検索キーワードの一覧を出してみたいと思います。
DS.INSIGHT Peopleを使うことで、特定の語を含む検索キーワードのランキングを表示することができます。
DS.INSIGHT Peopleを開いたら、まずはキーワードに「対策」と入れます。次の画面で「検索形式」を「ランキング」にします。
すると「対策」を含むキーワードの検索量ランキングが出てきます。この時点で「サカキ 対策」というキーワードが見えます。これはおそらくポケモン GOの話題ですね。サカキ、本当に強いんですよね..!
このランキングには「対策」を含む検索語上位500語が表示されます。このランキングをそのまま眺めてポケモンの話題を探すこともできるのですが、今回はこのデータをダウンロードしてより見やすくします。DS.INSIGHTの画面のダウンロードボタンを押すことで、データをcsv形式でダウンロードすることができます。
データのダウンロードと絞り込み
ではデータをダウンロードして、分析ツールに読み込ませてデータを見やすく加工しようと思います。今回分析ツールは多くの方に馴染みがあるExcelを使ってみます。
DS.INSIGHTからcsv形式でデータをダウンロードしたら、Excelで「データ」タブからデータを読み込みます。
(見やすくするため、今回使う「順位」「検索キーワード」「検索ボリューム(人)」「先週比(%)」以外のデータを削除しています。)
次にこの中からポケモンの話題に絞り込む準備をします。絞り込むにあたって今回は全てのポケモン名に加え、なんとなく「ポケモン」と「サカキ」も絞り込むワードに含めてみます。
空いているスペースに「ポケモン」と「サカキ」のワードを入れ、その下に全てのポケモンの名前のリストを貼り付けます。
(今回はポケモンがテーマですが、リストのワード選び次第で自分が探したいトピックの「対策」検索を探すことができます！)
またこれらのワードで検索ができるよう、ポケモン名にワイルドカードを付けて部分一致検索ができるようにし、それを「絞り込み」カラムで絞り込みます。それぞれ以下の関数を使います。
="*"&F2&"*"
=SUM(COUNTIF(B2,G$2:G$990))
これで絞り込みの準備完了です。「フィルタ」機能を使って「0」を外し、ポケモン関連キーワードに絞り込みましょう。すると、
データを絞り込みすることができました！「対策」というワードの関連検索top500にこんなにポケモンの検索があったことに少し驚いています(笑)
(時々名前が近いだけでポケモンと関係ないデータも混ざってしまうので、それは適宜除外しましょう。例えば10位の「グリザード 対策」はポケモンとは関係のないものですね。)
見てみるとポケモン GOに関する検索キーワードが多く見られました。上の方はポケモン GOの「レイドバトル」や「ロケット団」など多くのプレイヤーが遊ぶコンテンツの検索が並んでいますが、もう少し下に行くとポケモン GOの対人戦(「マッギョ 対策」など)やポケモン剣盾の対人戦関連(「カイオーガ 対策」など)と見られる検索キーワードが見つかります。(中にはポケモン GOの話題かポケモン剣盾の話かわからないキーワードもありますが、後述の「時系列キーワード」機能で前後の検索キーワードを見ると話題に当たりを付けることができます！)
「ザシアン 対策」はおそらくここではポケモン GOの話題で検索が増えていますが、ポケモン剣盾でも現在猛威を奮っているポケモンでもあります。
「先週比」でトレンドチェック
この検索量ランキング自体も興味深いですが、「先週比」にも注目です。この値を見ると、その検索が先週と比較して増えているかどうかがわかります。今ホットの話題なのかもう過ぎた話題なのかを見るため、今度は視点を変えて「前週比」を「降順」に並び替えてデータを見てみましょう。
先週比が「-」のものは今週から新しく登場したキーワードです。つまりここには最新のトレンドが出ている可能性があります！
並び替えるとこのようになりました。やはりポケモン GOのレイドバトルの話題が目立ちますが、「マーシャドー 対策」はおそらく「マーシャドー」がポケモン剣盾で9月のルールから使用できるようになったことを受けての話題です。
「対策」として次に検索したことは？
ここまで、今どのようなものの「対策」が調べられているかを見てきました。となれば次は実際にどのような「対策」が選ばれているのか、興味が湧きますよね。
その手がかりもDS.INSIGHT Peopleで得ることができます！今度はDS.INSIGHT Peopleの「時系列キーワード」機能を使います。この機能を使うと、選んだキーワードを検索した前後にはどういった検索がよくされているのかを調べることができてしまいます！
では「時系列キーワード」機能に、先程絞り込んだ中から気になった検索キーワードを入れます。今回は試しに「ザシアン 対策」を入れてみます。
大量にデータが出てきました！...こんなにたくさん出てしまうと逆に何が何だかわからないですね。このデータを上手く絞り込んでみましょう。
まず、「ザシアン 対策」を調べて直後の検索に絞るため、「検索時間差」を0~1に設定し、「絞り込む」を押します。これで、「ザシアン 対策」を検索してから1日以内に検索されることが多いキーワードに絞ることができます。
次に、表示形式を「マップ」から「ランキング」に変更します(最近実装された新機能です！)
そしてランキングが表示されたら「関連度」をクリックし、ランキングを関連度順に並び替えます。すると...
検索時間差が0~1のデータが関連度順に並び、このようになりました。見事にポケモンの「育成論」の検索が並んでいます！(育成論：ポケモンの育て方に関する考察記事のこと)
それぞれのポケモン名を見ると、「ランドロス」「レジエレキ」「ヒートロトム」「ヌオー」などなど...なるほど、確かにポケモン剣盾でザシアンに対し有利に戦えそうなポケモンの名前がよく出ています。多くの人はまずはこういったポケモン達でザシアンの対策を試みたのですね。
このようにして、「○○対策」として実際にどのような方法が候補にされているのか、という情報まで調べることができてしまいます！
終わりに
ということで今回は「対策」という検索キーワードに着目して、今対策を調べられている事柄と実際の対策アクションをポケモンを例にDS.INSIGHTを使って分析してみました。
今回はトレンド変化の激しいゲーム系をテーマとしましたが、キーワードランキングを見ると他にも様々なジャンルで「対策」というキーワードを使って悩みが検索されています。例えば「前髪 うねる 対策」「マスク ニキビ 対策」といった美容系、「高血圧 対策」などの健康系、「蚊 対策」といった害虫対策系、「台風対策」「雷対策」といった災害系は特によく検索されていたので、ニーズや対策行動を把握するのにぴったりと言えそうです。
この「対策」トレンドを頻繁にチェックすれば、早期にニーズをキャッチできること間違いなしです！
今人々がどのような課題に遭遇し対策を求めているのか、興味がある方はぜひDS.INSIGHTをお試しください！
筆者プロフィール
中込 攻太郎 (なかごめ こうたろう)
2018年にヤフーへ入社し、ヤフー・データソリューションの立ち上げに従事。
現在は主にDS.ANALYSIS（オーダーメイドの課題解決サービス）における分析業務や、データ利活用推進チームにてデータの可視化やETL処理を担当。
趣味はブログとゲームで、現在もポケモンの全国大会・世界大会に出場している現役ゲーマー。ポケモン世界大会出場は今年で3度目、他ロックマンエグゼ6全国ベスト4等。
Twitter：@rep_maikeruVGC
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