詩 川辺のジャム
小さな庭を出て
長くつづく道を一人きりで進み
節操もなく万物に祈る
誰かがしあわせであるように
君が安らかであるように
君の川辺を歩き
砂利の上でステップを踏みながら
草いきれのなかを進む
懐かしいうたを歌い
細い風をうなじに遊ばせながら
桑の実を採りに行く
君の紡いだ糸は
わたしの藍のスカーフに
ちらちらと光る波と
その深い色と
爽やかな木陰と
ここに在るなにもかも
一緒に煮詰めて
甘酸っぱいジャムにする
そして 君のもとに手向ける
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