短歌 雨の夜

雨は嫌いだ。

昨日の夜、恋人と電話中に「雨が好きか嫌いか」の話になった。彼はそれほど嫌いではないようで、雨ならではの楽しみも持っていた。私だって、彼の好きなものを好きになるようなポジティブでかわいい彼女になりたかった。

でも、どうしたって雨は嫌いだ。

私の曾祖母は、雨の夜に死んでしまった。
自らこの世に手を振って消えた。

あの日から、心の底の方でずっと自分に絶望している。心底自分が嫌いになった。



だから、私は雨が嫌いだ。

昨日は久しぶりに曾祖母の夢を見た。
外は晴れている。
私はまだ生きていくよ。



降り止まぬ悔いと懺悔と寂しさと…
雨よりずっと私が嫌い


鮮やかに静かにこの世に手を振った
あなたのことは嫌いになれない


雨の夜に君が消えてく夢の中
絶望湛える朝を生きてく


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