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『ふぅのICO実況動画を観る』為にICOを遊んだつもりが、その面白さがGOTYレベルだった話 [ICO/ふぅ/感想]

面白かった。本当にこれが俺の生まれる前に出来たなんて信じられない。

この記事はICOの感想記事単体でもゲーム実況者ふぅについて語る記事単体
でもなく、「ICOがメインだがどっちも両方語るごちゃ混ぜ丼記事」なので注意されたし。
そういえばこんなスタンス前もやったな。

!ATTENTION!



普段よく見るゲーム実況者の1人に、「ふぅ」がいる。

度の超えたやり込み。都合の良すぎるフラグ回収。派手ではなく丁寧な編集。漫画やアニメのキメ台詞の乱発。視聴者を突き放す姿勢。

良くも悪くも唯一無二の実況スタイルなので万人受けしないが、年々トークもプレイングもキレが増しており、「もしかして実況12年目にして今が実況全盛の時代か?」と勘繰る程の魅力がある。
いや実際はテンプレネタを擦ってるだけなんだけど。まぁ初期からef式ローリング降下術擦ってる時点で今更だろ?丁寧な編集も相まってテンポが速く、取り敢えず再生して暇つぶしするのに最適化されている。

以前見たことがある人は某メーカー問題であまりいい印象が無いと思う。実は僕もその時期から暫く見なくなっていたのだが、上記の「極限まで妥協しないダークソウルリマスタード」を見てまた追うようになった。何だかんだ面白い。

個人的に一番好きなシーンはこれ。10年近くダークソウルをやり込んだ知識からビルド構築に新たな可能性を感じ、邪教クラブを手にとるシーンだ。
ロイドロイドやクサヴァーさん見ててくれよ!などテンプレ詠唱は一旦置いとくとして、思いがけないプランをはじき出した時のテンションの盛り上がりが急展開すぎて面白い。普段淡々とした口調なだけに印象的だった。



さて、実は何気に彼の初期の実況動画であるICOをまだ観たことが無い。

「じゃあそのまま観ればええやん」そう。そうなのだが、最近はマルチゲーでない限りはなるべく自身でゲームをプレイしてから実況動画を観たいお年頃なので、先にPSNowでプレイしてみた。

生贄として捧げられた少年イコが、言葉の通じない少女ヨルダと手を繋いで城から脱出するゲーム。たまに妨害してくる影(としか言いようがない敵)を棒で叩いたりするが、基本的にゲームで出来る事はこの脱出ぐらいしかない。それだけだと味気ないと感じる人がいると思う。

だが、本作の凄い所は、逆にゲーム内の要素の殆どがこの目標の為に徹底的に働いていることだ。

これはカットシーンではなく、通常のゲーム画面だ。体力やマップなどの情報を示すHUDが一切ない。

カメラワークは自分で多少操作できるが、基本的にはゲーム側でカメラの位置が動くため自由度は少ないように感じる。しかし、そのカメラワークはイコとヨルダ、風景の3つを美しく描くように動く。

基本2人1組で行動するのだが、セーブする時も2人でソファに座る必要がある。手を繋ぐ、イコがヨルダに呼びかけるといった連携がゲームの大半を占めたりと、とにかく2人に集中したものになっている。

また、イベント以外は特にBGMは無く、鳥のさえずりや水のせせらぎ、風車の駆動音などのSEを主に聴くことになる。人のいない城のどこか幻想的な雰囲気もあって、手を繋いで辺りをほっつき回るだけでも楽しい。

ただ、このようにICOの凄い所を要所要所でピックアップして、「これがICOが面白い理由です」かといえば、実は正直そうでもない。

何故かというと、ICOを一通りクリアしないと分からない、「あの満足感」が一番の面白い理由だからだ。しかし説明できない。口語でいう「これはいいものだ…」と納得してしまうような良いものなのだが…

そこで読んでほしいのが電ファミのこの対談記事だ。今読んでる駄文なんてすっ飛ばしてこの記事を読んだ方が絶対に良い。

まとめると、ゲームならではの表現を駆使して2人の関係を表したり、キャラクターの存在感を引き出すためにモーションをこだわるなど細部まで完成度を高めることで、ゲームの体験性を生み出すことにICOは成功している。

その結果、ゲームという工業製品や大衆娯楽の枠に留まらず、絵本のような「ずっと大切に持っておきたいもの」に昇華した…といった所だ。


いやー、言語化が上手い。上手すぎる。当時のPS2基準のグラフィックも相まって、ヴィンテージが増している今だからこそ、この表現は的確だった。

とまぁ、こんな感じに溢れる感動に合わせてろくろを回しながら、プレイし始めの時には全く予想していなかった猛スピードでクリアした。

本当に面白かった。エンディングで「You were there」が流れるあの展開は、是非とも自分の目で見てほしい。僕はイントロで鳥肌が立った。後半に流れる「Castle in the Mist」も非常に良いサントラだ。

普段PS4やPCをメインにゲームを遊ぶため、10数年前のゲームに触れることは殆どなかった。グラフィックが…遅いゲーム進行が…と今とは違う快適性のギャップで敬遠していたのだが、ICOはプレイすることが出来て本当に良かった。



あぁ、そういえば当初の目標を忘れていた。観るんだったな、これ。

この動画が出たのは2010年。今の実況スタイルとはあまりかけ離れてはいないが、やはり10年もの年月は長かった。

声が若いし、今とは違うイタさがある。エンディングの時に感想を一気に喋るのは変わらず。まさか最後の最後で泣くとは思わなかったが、ゲームをプレイした人はやっぱりそこで感極まるよな。
実況動画って感情が爆発するとコメントで揶揄されやすいだけに、エンディングの感動を共有できたのは良かった。



余談だが、彼が次にギャルゲー企画をするのはいつになるのだろうか…
サマーレッスンが最高に自分を晒してて大好きなんだよ…

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