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Beautiful Life

SNS上に煌めく写真の数々。みんなネット上の仮想現実に自分を良く見せようと必死になっている。綺麗な写真を撮るためにパンケーキを食べて、写真に収めるために絶景スポットへ旅行に行く。

”インスタ映え”が流行語になるくらいには、みんなTL上に流れている世界に着飾った自分を乗せようと頑張っている。今日も見知らぬ誰かが何気なくタップした”いいね”の数に一喜一憂している。

僕は写真が嫌いなわけではない。デジタル一眼レフを持って、ふらっと一人旅に出ることもしばしばある。もちろん、友達とスマホで写真を撮ることもあるし、実家に帰ればうちの猫をいつも撮っている。

でも、それはあくまでもオマケ。旅行先で写真を撮ることは楽しいけれど、一番楽しいのは旅行先にいる地元の人たちとの交流やご当地グルメや地酒。友達と写真を撮って思い出にするのもいいけれど、いつまでも心に残るのは友達との馬鹿話ばかり。実家の猫にいたっては、猫なで声で甘えてくるたびに一緒に遊ぶのに、いざ僕がカメラを構えるとそっぽを向いてしまう。

だから、景色を見て心で何かを感じる前にスマホの画面越しに写真を収めることに必死な人たちとは相容れないと思う。

こんなにも世界は美しい。

画角には切り取れない何かがある。1枚の構図に収めることのできない、音があり、香りがあり、感触がある。それを僕は大切にしていきたい。

僕は知っている。

貴女は写真写りが悪い。みんなからは”いつも可愛い”なんて言われているかもしれないけれど、写真には収まらない可愛さを隠し持っていることを誰も知らない。そして、僕は君の笑顔を写真に収めようとするたびにファインダーを覗くのだけれど、ついつい見惚れてしまってシャッターを切るのを躊躇ってしまう。最後には、ファインダー越しでは物足りなくて構えたカメラを下ろして見てしまう。この世界はキリが無いくらい美しい。ため息をついてしまいたくなるような、言葉にならない美しさが存在している。

僕は今日も心の中でシャッターを切る。

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