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冬の関西 ひとりでに(4/4)

一人旅シリーズ最終回です。
1.2.3回の内容はこちら。

また二度寝して2~30分ぐらい寝坊した。さすがに疲れが身体に出てきている。
朝飯を食らう、普通のビジホの朝飯だった。22歳にしてウインナーとスクランブルエッグさえあれば何とかなることに気がつけた。

なんか、情けないなこれ

チェックアウトした後、小雨の中近鉄奈良駅までテクテク歩く、地方都市って感じだ。
柿の葉寿司が悪かったのかちょっとお腹が痛い。

なるほどね(?)

3~40分ほど電車に揺られ伊勢田駅に着く、駅前に簡易的過ぎる喫煙所があった。

人の優しさと言っても過言ではない

歩くこと10分、訪れようと思っていたウトロ平和祈念館に到着、僕が来た時はまだ先客が1人しかいなかった。
2階の展示を見て回ってみる、2022年に開館した新しい施設なので展示や施設が綺麗だった。
僕は生まれてこの方、差別であったり偏見に苛まれることというのは有難いことに一度もなく過ごしてきた。むしろ、無意識的な偏見の目であったり、同調するような形でのステレオタイプを自分の中で作ってしまったことが多々あったように感じる。不法占拠として提訴されるに至るまでの話や実際に強いられた偏見や差別について割とフラットにその事実を伝えてくれた。ウトロ地区における問題の要点は土地の引き渡しに関する内容である。その中で一つ、自分の生まれ育った場所を失うってことがどういう事なのか考えた。縁もゆかりも無いただの大学生でもその思いは十分に伝わる内容だった。
チャンゴという農楽、伝統芸能がありウトロ地区の人はそれを催しものとして演奏して披露していたという内容を読んだ。

晴れてたら屋上に上がって街を見下ろすことが出来たらしい
セウォル号沈没事故の生存者による訪問記念の似顔絵が描かれたコンテナ

1階の受付に戻ると元気なおばちゃん2人が施設の人と話し込んでた。施設の人の計らいでお話させていただくことに。コーヒーも揚げせんも頂いた!みんないい人だった。
お喋りマシンガンのおばちゃん2人に圧倒されるつつ、久しぶりの会話で頭も回らずただその話を聞くだけに……。おばちゃんの一人はその日大根を持ってきており、その場にいた僕は前の日に持ってきていた八朔を1個頂いた。

ありがとうございます泣
カバンの中に入らないからとりあえず手に持って帰った

おばちゃん達が帰ったあとも施設のおじさんとボランティアの方ともお喋りした。
ボランティアの人は鶴橋などでフィールドワークとして研修に行くらしい。三輪から奈良行って……みたいな話したら「徒歩で?」みたいなボケかまされたので「徒歩で電車乗って行きましたね……」って返したらちょっとウケてた。最後、外の展示を見る時もおじさんが色々と教えてくれてすごく良くしてもらった。
久々に人とちゃんと話せて心が和んだ。

家屋が並んでいた地区は集合住宅に変貌を遂げていた
3年前の放火事件の跡地、これにより平和祈念館に展示する
予定だった50点もの資料が焼失した
犯行に及んだ男性は現在の自身と同じ22歳だったという

京都駅までイク
撮り鉄の集団を初めて観測、人多すぎワロタ
改札出たらもっと人多くてマロタ
とりあえず、吉田寮まで行けるバスに乗るか……と思い、バス停に行くとその系統が清水寺の最寄りまで行く奴らしく激キモ長蛇の列が生まれてた。
20分ほど待って乗車、清水寺辺りで大方降りて乗客は3人しかいなかった。
しかし、祇園を過ぎた辺りで乗っていたバスは路線とは違う方向に進み出した。焦る乗客3名、そのうち俺以外の人が運転手に尋ねたらこの便は臨時便のために、祇園より先は行先が違うとのこと。
同じ系統で同じ終点書いてあるのに途中だけ違うとか罠すぎるだろ……。仕方がないので次のバス停で降り、乗り直す。
次はしっかり近衛通までつき、下車。
吉田寮に行く前にセブンで昼ごはん(イートイン)。

もうこれでいいや
常識では考えられない昼食

休日だからか全然人がいなかった。
入口が空いてるので入ってみると2年前ぐらいの陸さん(身内)程の髪の長さでマスクをしつつもそのマスクから長く伸びた髭が垣間見える20代前半の男性がいた。
見学をしたい旨を伝えると慣れているからだろうか、伝えて5秒後には案内をしていただけた。
施設内はプライベート保護のため基本撮影禁止で麻雀部屋だけ許可を取り写真を撮らせてもらった。
明け渡し勝訴の件など話しながらテクテク、てか灰皿あり過ぎだろ。そこかしこに灰皿がありこんもり吸い殻が置いてあった。
ガチでシンプルに汚いレベルを超えてるし、人が居住してないスペースは本当に廃墟みたいになっていた。所属しているサークルの部室を喫煙可にして更にゴミを増やしても追いつけない歴史がそこにはあった。
中庭では鶏が放し飼いされてた、かわいい。昔はヤギとかもいたそうでみんなで育ててたらしい。
多分だけど、案内してくれた人は結構明け渡し訴訟に関して一家言あるタイプっぽく、歩きながらその話をよくされた。一部勝訴によってとりあえずの安全は確保されたものの、今の吉田寮では新たに新入生を入れても古くからある現棟ではなく、新棟に入ることを余儀なくされているため、今後現棟の住民がいなくなった場合その存続というのがまた新たに問題になるだろうと述べていた。一応ちゃんと予習しておいて良かったと心の中で思いました。食堂や実際の居住部屋やゲーム部屋など色々見て回らせてもらい20分ぐらい案内してもらった。
食堂には来年度の新歓パンフレットがあり一式頂くことが出来た、めちゃくちゃ分厚い。
最後挨拶して出る時に「休日にお時間頂いてありがとうございました」と言ったら「またいつでも見にきてくださいね!」と言われたので焦って「フヘヘすぐにでも」とキモ返事をしてしまった。
もしかしてだけど、これ京言葉だったらエグいし、俺もエグいカウンターしてることになるな。

パンフレットは2~3cmぐらいの厚みがあった
モーニングだ

その後、またバスに乗って京都駅まで揺られること20分
帰りのバスで江古ディズ(2/4を参照)みたいな薬局があった。
疲労もピークだったので一度荷物をロッカーに置いて、瀧尾神社に向かった。
歩いたら20分ぐらいなんだけどしんどいので行き帰り往復10分400円かけて到着、正直街の神社過ぎてビビった
お参りを済ませてお守りでも買おうかと思ったが、なんか調べてた通りの物が無かったので見なかったことにしてその場を後にした。
京都駅に戻ったあと、長らく伊勢田駅から4時間近く煙草を吸っていなかったため限界に。
南口の方を出た時目に入った喫煙所こちらの文字、その文字を目で追うと期待感を高めるかのように喫煙所こちらの案内標識がズラズラ出てきて最後、喫煙所を発見した時の足取りの軽さたるや。ここ数日間で一番足が動いた気がした。

馬鹿だからくるり聴いてました
連休の初日だったから有り得ないぐらい人がいた
階段登って暇を潰す

一服したあと駅の向かいにあるビルのタリーズで休憩。
喫煙席があると思ったけどガッツリそんなものは無くなってました。
仕方ないけども充電スペースはあったので満タンまで充電させてもらうことに、一回2時間制の席でギリギリまで粘った。それからは京都はエスカレーター左並びなんだな〜とか響け!の2期のコンサートの回で宝島演奏してた場所ってここか〜とか思いながら駅周辺をぶらついていた。

その後もう疲れて知らない店入る気になれなかったので四条駅のサイゼリヤに行くことに決めた。
テクテク20分ぐらい歩くんだけどその通り沿いにホテルが沢山あるためカップル達とともにテクテク歩く惨めさったらありゃしなかった。
隣の隣の訪日観光客プラスおばさんの卓(5人)、おばさんのジャパニングリンシュ凄い。歌劇のマノン・レスコーの話してる、マノン・レスコーが名前の由来らしい、娘か本人かは分からなかった。
隣のカップルの男は鼻の頭に絆創膏貼ってた、リアルでそんな人居るんだ。サイゼでイチャイチャすんな。お前がシャワー浴びてる間に白ぶどうスカッシュに唐辛子フレーク入れるぞ。

もうこれでいいや

京都駅へまた歩いて戻る。普通にさっきの状況と逆だからカップル達とすれ違いながら戻ります泣。
途中でタイムズで隠れながらタバコを吸って拾い、また歩く。京都駅に着いてからは3-4回煙草を吸っては暇を潰すを繰り返して1時間半ぐらい待った。

ここで1時間半ぐらい暇を潰した

やっとの思いで深夜バスに乗車、運転手の声エコーかかり過ぎだろ。行きでは何度も目が覚めていたのに帰りは9割近く爆睡していた。トイレ休憩の時わざわざ起きてくれた隣のおじさん、ありがとう。
6時半ぐらいに新宿駅に着く、安心感が違いすぎる。見慣れた街並みってほどでもない新宿ですらこれだから実家帰ったらどうなっちゃうんだ!?
普通に何とも思わなかったけどベッドに横になって1週間振りに自分の枕に頭を乗せた時、快感過ぎてここ最近で一番デカい声が出た。



結局旅行して思ったこととしては、その空間に入りもせず憶測と偏見だけで言葉を選ぶことの稚拙さと衒学趣味は恥ずかしいことだということ。
一人旅の方が向いてるということ、それぐらいだった。
でもみんな会いたい、本当に好きだよ……
思い返すのはそれぐらいにして、また普通に生活していきます。

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