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Behringer CRAVEのレビュー

4年ぶりくらいかな、ハードウェアシンセサイザー買ったの。

そんなワケで、Behringerのアナログ・モノ・シンセサイザーCRAVEを買いました。レビューします。

・選定理由

ちょっとした計画があって、最初はArturia Microfreakを買うつもりだったけど、Reason11をテストしていReason付属のシンセサイザ、Europaの出来が良いことに今更気付き、ほぼデジタルシンセサイザーのMicrofreakでできることはEuropaで出来てしまう気がしてしまった。Europaはフィルターがちょっと気持ちよくないので、アナログフィルターのMicrofreakの価値が完全にないとは言えないけど・・・。

一方、Reason11でアナログサウンドは限界あるかなと思っていたので、久し振りのハードウェアはアナログオシレーターが付いたものにしようと思った。KORG Monologueも良さげだったけど、より小さくてパッチの入出力が豊富なBehringer CRAVEの方が性に合ってる気がした。Youtubeのデモ動画みて、好きな質感の音出てる印象もあったし安い!

というわけでCRAVEに決定。


・開封~同封品、デザインなど

開封すると、本体と電源アダプター、6本のパッチケーブル、中途半端に日本語な説明書が同封されていました。パッチケーブルは嬉しいですね。すぐ遊べます。

なんか勝手に小型のシンセサイザーと思い込んでいたけど、意外と大きい。手持ちの機材でいうと、Elektron MachinedrumやMonomachineと大して変わらない面積です。厚さは「大丈夫かこれ?」ていう印象持つくらい薄いです。重さは少しズッシリ来ますが、膝の上で遊んでいても疲れない程度の軽さと、安定感ある程よい重さで丁度いいです。

パネルは金属製、両サイドに木材、ノブは少し重めで2万円の楽器とは思えない良い作りです。色は黄色かと思ってましたが、ほぼオレンジ。見た目もカワイイ。エンベロープが左の方に居るのが新鮮な感覚だったが、余裕あるレイアウトで音源部分のデザインはパーフェクト。使いやすい。


・シンセサイザー機能

1VCO、VCF(24dB/oct LPF)、LFO、1ENVELOPEとめっちゃシンプルな構成です。1ENVELOPEの仕様は大好き。パッチの入出力は豊富で、右側が入力、左側が出力、という感じで上部にまとまってます。このデザインも使いやすい。VC MIXという2系統の信号をミックスできる機能やMULTIPLEという信号をパラにして2系統に出力する機能もあります。ナイスですね。

1VCOでもけっこう複雑な倍音持たせて発音できますね。


・シーケンサー機能

これ、パッと見て思い通りに保存まで行くのは不可能なデザインです。まさかオートセーブなんかないので、「どうやって保存するんだよ!」ていう感じです。下記のyoutube動画で完璧に解説してる方がいますので、そちらを参照していただくのが良いかと思います。シーケンサーの使い方を書いたネットの記事は幾つかありますが、編集に触れてるところはないっぽいので。ちなみに説明書、シーケンサー部分は訳されていません。笑

https://www.youtube.com/watch?v=634AydD1ANs

一応GLIDE、REST、ACCENTの設定もできます。少々不親切なデザインではありますが、機能的には昔ながらのシーケンサーです。


・出音

フツーにいい音します。フィルター絞ったときのボコボコした鳴りっぷりは本物のアナログサウンドです。

私が使った中だとRoland SYSTEM-100のフィーリングに近いです。ところどころ、Roland MC-202っぽいメローな鳴きを思い出させる音が出てきます。

音質的な意味や、フィルター等の挙動も含めて「粘りある」印象です。SH-101やJUNO-106みたいなカラッとした立ち上がりの早い音とは違うのでクールな歯切れ良いテクノサウンドとも違い、モチッとした甘いキャラクターに思います。なので、SYSTEM-100を思い出したのではないかな、と(さすがにSYSTEM-100はもっとリッチできらびやかな印象ありますが比較対象じゃないです)。

フィルターを絞ったときの暴れっぷりは中々グッときます。アナログシンセならではの音がちゃんと出てます。ただ、レゾナンスを上げていくと音痩せを感じました。TB-303もそういう傾向ありますが。レゾナンスを上げたときのフィルターカットオフで設定した周波数付近の帯域幅が狭いのではないかと思います。フィルター絞ったときの暴れっぷりと、レゾナンス上げていったときの痩せ方との間に音量感の差があるので、コンプは通した方が良いんじゃないかと思います。

Elektron SPS-1 Machinedrumとセッションしてみましたが、SPS-1と比べてショボい印象も全くありません。もっとチープでも良いくらいなんだけどなぁ、と思ってしまうほどしっかりした音で、圧も感じるほどです。

・同期

Reason11からmotu828 mkII→SPS-1のMIDI THRU→CRAVE MIDI IN

以上のつなぎでReason11からMIDIクロック送信で同期させてみましたが、バッチリです。

・まとめ

CRAVEを1日使ってみた感想は下記の通りです。

Excellent:コスパ良い、立派な入出力構成のパッチベイ部のデザイン

Good:出音も良い、シンプルでかわいいデザイン、十分省スペース、程よい重さ

BAD:不親切なシーケンサー周りの設計、フィルター少々癖あり・レゾナンスを上げていくと音痩せが気になる

結論:買ってよかった。コスパ良いのでお試しで買っても損ないと思います。

さいごに、Machinedrumとジャムしたテストトラック2曲を添えておきます。参考に、、、と書こうと思いましたが、聴き返すと結構過激な使い方しています。



以上、よろしくお願いいたします。


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