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続)理系男児に10年間読み聞かせ③ー国語が苦手な中学生に贈る 成績が上がる国語の勉強法(トレーニング法)

勉強しても成績があがらないと思われている科目、国語。
たぶんこれが成績を上げる勉強法。中学生編


小学生編とかぶる内容があります。かぶる部分は適当に読み飛ばしてください。

**前前回の中学で国語の壁を乗り越えた方法で、小学生用の問題集を中学生の息子にさせた理由(中学生用の国語の問題集は、国語ができない子供には苦行で続かない)と、小学生用の問題集で成績が急激に上がった話をしたけど、同じことをしても上がらない人もいるだろうね。今回は、その理由と、上がらない人は何をしたら良いかを書いてみます。


国語との悪戦苦闘を通じて分かったのは、国語(の得点)に影響する段階が、いくつかあるということ


*問題文を読んでから、読解解答までの流れを分解してみると

①文字をスムーズに追える目の動き

②文字を認識して、それが頭の中で音として響く 

③その音を頭で聞いて単語や文章の内容が画像に近い状態になって頭に残る(イメージ力、実感力)
 =内容や流れが記憶しやすい

④問題を読み、国語のルールに従って、文章の中から答えを見つける力

わが家の息子は、長年の読み聞かせで③を、速読で①を、6年生から自分で本を読むようになり②を鍛えていたので、あと④を鍛えれば成績が上がったのでした。
前々回書いた、日本語トレーニングは、偶然④に特化した問題集だったのです。


塾の国語の良し悪しは、④の教え方の良し悪しで、①~③ができていない子は、良い塾に行っても国語の成績はあがりません。
実は、国語が苦手な子供に①~③ができていない子供は結構います。特に本をあまり読まない理系男児やスポーツ男児など、今まで読書をしてこなかった子供達。


*①~③ができていないお子さんのトレーニング法*
1)文章を後戻りしないで、イメージングしながら読み進める練習

もし文章を読んでいる時に視線が左右や上下にすぐ揺れるなら、最初は定規を読んでいる文章の左側にあてて読む。
ゆっくりでもいいので文字(文章)からその場面を思い浮かべたり、自分の過去の体験の中から、例を思い浮かべ納得しながら、読み進める。


上から下へ文字を追い、後戻りはできるだけしない。目の動きがスムーズになったら定規は使わない。教材は、学校や塾で使っている長文問題の文章。1回10分くらいずつから始めて、徐々に長くしていきます。

もし、難しすぎるようなら(読みながら寝てしまう)、小学生の教材を使ってもOK.

2)内容を知っている文章を使って、目をスムーズに動かし、イメージングしながら読む(くり返す)
毎回スピードを上げるのを意識して(時間を測って記録)、10回くり返し読んだら、次の文章。教材は、1)で使った内容をしっている文章を使い、1回分の文章量は1分~1分半で読めるくらい。
それ以上長いと子供の集中力がもちません。1日3回ぐらいで毎日くり返す。


1)は初見文のイメージングの練習(③の練習)
2)は読むスピードを上げる練習(①②の練習)

2)の方法は、息子といっしょに速読を習っている時に気づきました。スピード練習するには、内容を知っている文章を使って、スピードに特化した練習をした方が効果的なのです。
1ヶ月もすると、かなり文字の認識からイメージするまでがスムーズになります。


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質問  「日本人なのにどうして国語の勉強が必要だと思う?」

皆が正しい読み方、書き方のルールを守らないと、正確に伝わらないから 
接続詞や助詞は、算数の足し算と引き算と同じ。皆が勝手な使い方をしたら伝わる内容が変わってしまう。


「国語の問題を解く時に、僕ならこんな気持ちになるから、これを選ぶ」というのは、算数の時に「僕は+の記号を引き算の時に使ってるから、引き算で計算する」のと同じ。

国語には、ルールがあるから、それを使って文章の中にある唯一の答えを探すんだよ。


↑上の説明、国語が苦手な理系頭の子供には響きます。彼らは、国語という教科が何を求めているかのイメージができていない(私は40歳過ぎまで分からなかったけど(^^;))
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④問題を読み、国語のルールに従って、文章の中から答えを見つける力のトレーニング方法

お勧めは、何度も書いている新日本語トレーニング


前々回にも書きましたが、国語は自分で解いて、丸つけすれば成績が上がる教科ではありません。大切なのは正誤より、国語のルール通りの思考(考え方)が使えたかどうか。練習量より質が求められる科目なのです。


新日本語トレーニングは、解説が簡単な言葉でくわしく書かれていますが、それでも解説を読むのが苦行(めんどう、しんどい)そうなら、お子さんの性格を考慮してサポートする方法を考えてあげてください。


私は、私自身が息子より先に解くことにしました。先に解き進めていた私がまちがえた問題(印がついている)は、間違えないように真剣に解いたようです。優越感に浸りたい心理(=親が解けない方が、中学生には効果的)


また、解説の理解できないところがあれば、息子が解いた後、彼に聞いていました


【高校受験を控えた落ちこぼれ中学生に国語を教えた時の話】
知合いのお母さんから勉強を教えてほしいと泣きつかれて、中3の9月から5か月間、中学生男子を教えることに。


平均的な成績(in 公立中学校)の英語以外は、クラス平均の半分くらい。英語は、小学生のころから習っていたので、そこまで悪くなかった。。

自主勉強の習慣がなくて、生活の立て直し、勉強計画の立て方と実行、最後は全教科を集中特訓した思い出深い(めっちゃ大変だった)お子さん。
本人がものすごく真剣だったので、つい情に流され、大変だろうな、、、と思いつつ長期サポート(家庭教師)を引き受けてしまいました。


国語に関しては、
上の1)2)のトレーニングに加え、新日本語トレーニングと
①~④すべての段階の練習
をしてもらいました。


それから彼は、書くのがとても苦手だったので、
「中学入試を制する国語の「読みテク」トレーニング 説明文・論説文」
も毎週2ページずつ、1ヶ月半ぐらい書いてもらいました。
書く要領がつかめたら、途中で止めました。小学生用なので、問題文を読む時の負担が少なく、記述のためのコツも分かりやすく書いてくれているので、書くことに苦手意識が強いお子さんにはお勧めです。


彼の母親の全面的な協力(声かけ、記録)も得て、自宅でも国語のトレーニングを毎日コツコツと続けた彼。


結果、2月の私立高校受験で国語と数学が奇跡の得点をとり、国立大学をめざすワンランク上のクラスに合格。9月から始めて5か月。国語がぎりぎり間に合いました。


④のトレーニングは、成績が上がるまで時間がかかる(参考 中学で国語の壁を乗り越えた方法)ので、苦手な人は早めに始めた方が良いです。他の国語の問題集を始める前に6冊を2回通り終わらせておくのが理想。

中学生には簡単な文章だし、問題数も少ないのでサクサク進みます。

国語の指導を直接したのは、息子を入れて、前回の小学生二人とこの中学生の4人だけですが、それ以外の方から国語の相談を受けた時は、上の話をしていました。実行した人で、伸びなかった人はいなかったと思います。


注意点は、国語のトレーニングは子どもだけで進めるのは無理なので、何らかの親のサポートが必要になります。面倒と思われるかもしれませんが、国語の成績が上がると、特別に勉強しなくても、上がったままになり、子供がとてもラク(受験に有利)になるので我慢です。


それから子供に教える時は、楽しく!明るく!を心がけてくださいね。
反抗期真っ只中の中学生は対応が難しいかもしれませんが、せめて「私ができることは手伝うから、手伝いが必要な時は何でも言ってね。」ぐらいは言ってあげてください。

まとめ(できていないところをトレーニングする)
①~③ 文字の認識とイメージング力が弱いか、遅い時
1)文章を後戻りしないで、イメージングしながら読み進める練習
2)同じ文章を使って、目をスムーズに動かし、イメージングしながら読む(くり返す)
④国語のルールを理解していない時
新日本語トレーニング6冊(簡単なのでどんどん進む)を終わらせてから、ほかの問題集。できれば、2回したほうが良い。
その他:書くのが苦手な時
「中学入試を制する国語の「読みテク」トレーニング 説明文・論説文」。書くのが慣れるまで。

中学生さんで、国語が苦手で困っている方の参考になれば幸いです。

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