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20年間ピアノを弾いて思ったこと

数えてみたらピアノ歴20年だということに最近気付き、軽くプロじゃん成人じゃんと一人舞い上がったのですが、とてもプロレベルとは言えないにしても、趣味で20年間ピアノを弾きながら思ったことをまとめてみたので、わしゃ暇じゃよという方は読んでってください。

1. 爪は短いに越したことはない

レッスンに行くたびに「爪伸びてるねぇ爪は切ってから来ましょうねぇ」と先生に注意されてからレッスンがスタート、というのが私のルーティンでした。爪をちょんちょんに切るのがとにかく嫌だった。ただでさえ貝爪だった私は、洗濯バサミで爪の両端を執念で挟み続け、爪の形を縦長に変えるという偉業(奇行)を成し遂げ、これをちょんちょんに切らせてなるものかと幼いながらに狂気の意地を張っていたのです。

ピアノに限らず楽器を演奏する方はこの爪問題にどこかでぶつかっていると思うのですが、特に女性はすらっと長く美しい爪を維持したい、という気持ちと、いや普通に弾きにくいわという気持ちが常にぶつかり合い、共存しているように思います。

爪が長くてもピアノは弾くことができます。実際私も長いままで鍵盤をカツカツ言わせながら弾いていました。しかしオクターブで小指の爪が欠ける、爪のせいでトゥリルがトゥリルにならないなど、やっぱ爪短い方が…そうだよね普通に良いよねと思うシーンが勃発するようになりました。

大人になってセルフネイルを選んだ理由もここにあります。ネイルサロンで高いお金と時間をかけて綺麗にしてもらっても、弾いてる間にストーンが飛んでいくのを見て、コスパの悪さを感じたのと、飛んでいっても自分で直せたらいいなと思ったので。

結果何を言いたいかというと、爪は長くても弾ける。でも短いに越したことはないということです。女性でネイルしたいよって方はセルフネイルの技術を磨くことを強くお勧めします。綺麗にするということより「いつでも直せる」という点が重要です。

2. 演奏による脳の動きを知るべし

別コラムでも熱く語っていますが、我々人間の脳は意外と単純で、精神的ストレスよりも肉体的ストレスを優先するように作られています。私はこの話を知ってから筋トレをルーティン化したわけなのですが、楽器を演奏する人の脳の動きについて、非常に面白い研究結果が出たよという話を聞いて、演奏できるって凄いことやないかい、天才やないかい、とますます思うようになりました。

楽器を演奏する人間の脳では、花火大会が起きていて、これは運動をしたり勉強をしたりする人の脳とは全く違う動きをしている。演奏をするときは右脳と左脳を同時に駆使しなければならないため、全身運動に匹敵する行動となり、脳の活性化に繋がる。

英語わかる方はぜひこちらをどうぞ。日本語字幕もあったけど英語の方が(説明的に)分かりやすかったです。


私はこれを聞いて、脳の活性化とかぶっちゃけどうでも良いけど、脳内で花火大会が起きてるって超ステキじゃんと思ったんですよね。ちなみに演奏せず、音楽を聴くだけの人の脳では、お庭で線香花火する感じの反応だそうです。実際脳内がパッと明るくなるんですって。How romantic it is!

話が脱線しましたが、人間は自分の行動について、脳では一体どんなことが起きているのか、あまり勉強しようとしないですよね。私も全く興味がなかったんですが、行動の裏にある脳の動きを知ることでそんな面白いことが脳内で!と感動し、打ち込むことができるということを言いたいわけです。はあ長かった。

これ何のために練習してんのかなと面倒に思っていたときにこの話を聞いていたら、もう少し打ち込めたかもなと大人になってから思います。6年前の研究結果なので今はもっと色んなことが分かっていそうですが。裏付けられた理由があるだけで、人は意外とやる気が出るものだということをお伝えしてみます。すごいマニアックなやる気の出し方ですが。

3. 手より意外と足がポイント

ピアノは手を使って弾くものなので、もちろん手の練習が重要なんですが、いざ弾いたり聞いたりしてみると、ペ、ペダル重要じゃね?ということに気付きます。

ペダルの使い方は手よりもセンスが問われる気がしていて、下手な人…というよりセンスが無い人の場合、ペダルに頼る傾向があると思います。結果全体的にモワモワしちゃう。どこで音を切るか、どこを弱めるか、手では表現しきれない部分をペダルで補うわけですが、鍵盤を押す前にその判断ができていないといけない。ピアノを弾くみなさん、我々は物凄い数の指令を同時に脳から出しているんですよ。(脳の話が好き)

右手と左手で全く違う動きをしてるだけでも凄いのに足まで考えて動かすなんてお母さん絶対できないわって親に言われたのを思い出しました。かつて母はピアノを習いたかったらしく、娘には必ずピアノをと決めていたそう。その娘が足までフゴフゴ動かすのを見て何だこれはと思ったんでしょう。

ピアノを練習するとき、基本的に我々は手だけに集中しがちですが、ペダルなしで成立する曲ってほとんどないので、ぜひ足にも注目して意識的に練習してみてもらいたいです。ペダルを使いこなせるようになると、グンと曲の完成度が上がります。

4. 疑いの気持ちを忘れない

今思えばものすごく不思議ですが、私はピアノを一切習っていない頃から、学校の友達が休み時間にピアノを弾くのをまねて両手で完コピできていました。それを知った母がこの子は天才かもしれぬと思い立ち、ピアノのレッスンを受けさせてくれたのですが、爪切らないよ事件から始まり呪縛のようなハノンに打ちのめされ、私は天才でも何でもない「ちょっとピアノ弾ける子」として留まることとなります。

幼少期の天性は侮れないのは確かですが、過信すると良くないなということをお伝えしたい。それが全てではなく、永遠ではないということ。その天性をどう発展させるかは練習と、5.で説明する経験値にかかっています。

もう1つ、弾けると思った曲を放置しないこと。常に弾けないかもという疑いの気持ちを忘れないで、慣れた曲も練習する。そうすると確実に自分の曲となって、パッとどこかで何か弾いてみてと頼まれたときも焦らず弾くことができます。暗譜してしまうと楽譜も見なくなりますが、時々見返して、本当に合っているのか確かめる時間も大切です。

5. 色んなジャンルの音楽に触れるべき

これが一番重要なポイントだと思っているんですが、できるだけ色んなジャンルの音楽を聴いて、これピアノで弾いたらどうなるかな?と考えてみてください。大体レッスンを受けている方はクラシックがベースになると思うのですが、だからといってクラシックだけを弾くのは非常に勿体無いです。

今はYoutubeやネットで素敵な楽譜がたくさん配信されているので、ジャズでもポップでも楽譜が手に入りやすい時代です。ぜひ色んなジャンルを聴いてみて、ピアノで弾くとこうなるんだ、このジャンル弾きやすいな、気分上がるな、という感覚を養ってください。弾かされているのはなくて、弾きたいと思える曲をたくさん増やしてください。

私は20年間ピアノを弾いてきて、そのうち10年くらいはほぼクラシックしか弾いていなかったように思います。こういう曲をピアノで弾けるんだという発見ができていなかった。今思うととても勿体無いことをしたなと思います。今はその反動でジャズばかり弾いていますが、たとえ趣味であっても自分に合ったジャンルを見つけるということは、続ける上では大切なことだったりします。もちろんたまにクラシックも弾きますが。

まとめ

これだけ書くとどんだけピアノ上手いんだと思われるかもしれないですが、学生のころ合唱コンクールの優秀伴奏者賞を頂いたくらいで、そのほか特に輝かしいヒストリーはございません。それでも社会人になって一人暮らしを始めた時に何より欲しかったのはピアノでした。結局指がむずむずして我慢できず、すぐピアノを買ったわけですが、上手下手に関わらず、それくらい楽器を思う気持ちがあるというのは幸せなことだなと今でも思います。楽器は楽しむ器。音を楽しむと書いて音楽。演奏ができるだけでとても幸せなことだし、楽しむことこそ音楽であると私は思います。

ちなみに非常にどうでも良い話ですが、幼少期洗濯バサミで挟み続け形成した私の縦長の爪は、今もなお縦長のまま維持できており、奇行の有り難みを感じています。容易くお勧めできる方法ではないですが、試す価値はありますということを最後に綴り、終わりにしたいと思います。ピアノでコラムを書くなんて考えたことなかったですが、20年も弾いたんだヘェ〜と思って書いてみました。

それではまた。

DropStudio.

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