見出し画像

男社会の医局での女医の立ち位置と勘違い

僕の趣味がゴルフであることは以前にお話ししましたが、今日は医局でのゴルフコンペについてお話しします。教授がゴルフを趣味としている場合、定期的に医局でコンペをすることがどこの医局でもよくあることです。以前僕が務めていた医局の教授もゴルフの会員権を持つほどのゴルフマニアで、よくコンペを開いていました。医局員としては当然参加せざるを得ません。ここが縦社会の悲しいところですが、そのおかげでゴルフが医局内で流行ることもあります。

そしてその流れで、スタッフだけでゴルフコンペをしようという話になりました。当時はもう10年以上前の話ですが、僕は脳外科に勤務していましたが、脳外科は女性医師の数が非常に少なく、医局には当時2人の女性がいました。そのうちの1人がゴルフに熱心で、ゴルフをしたいと言い出したため、コンペを開くことになったのです。彼女1人+看護師数人+医師が10人近く、そしてなぜか僕の妻も参加しました。

医局にいる人間はあまり意識していませんでしたが、その女医の振る舞いは女王様のようだったそうです。例えば、彼女が回る組には必ずイケメンを入れるように指示したり、自分のスケジュールに合わせて全てを決めたり、ラウンドの打ち上げは必ず彼女の大好きな焼肉で締めるように同僚の医師が手配していました。僕たちは特に文句はありませんでしたが、彼女が気に入らない組のメンバーをゴルフ場に来てから勝手に交代させることもありました。僕はその後輩が勝手にやっていると思っていましたが、その後の打ち上げの飲み会でも妻が同伴してくれ、後で「もうその場にいるのが嫌でしょうがない」と言われました。

みんながその女医を女王様のように持ち上げて、機嫌を取るわけです。すぐ機嫌が悪くなるからです。何かと彼女は仕事中もそうだったのですが、僕らは逆にそれに慣れてしまって忘れていました。一般社会ではありえないような振る舞いをしていたのでしょうね。妻も社会人経験があるので、翌日泣きながら僕らの振る舞いが理解できないと言われました。確かにな、自分の夫がそんなふうに甘んじているところを見たくないですよね。

妻は僕の影響でゴルフを始めてくれて、看護師さんたちとも仲良くなり、悪い面ばかりではありませんでしたが、その女医の女王様のような姿にやられてしまい、その後二度と医局のコンペには参加しなくなりました。教授と僕と僕の妻で3人で回ったゴルフラウンドもありましたが、その時は妻もニコニコして喜んでくれました。しかし、それ以外のコンペには二度と参加しなかったです。

女医という生き方は男社会に放り込まれると、そこに馴染もうとするか、自分が女医であることを振りかざすかのどちらかになります。いろんな困ったこともありましたが、尊敬できる女医さんもいました。僕が医局長だった10年間でも、様々な女医さんに振り回されました。時には女医に代わって教授に土下座をすることもありましたが、もう思い出したくもないです。そんな話についてはまた後日機会があればお話しします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?