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#41【暁】船で川を横断!三島由紀夫のあの「ワットアルン」へ

三半規管が絶望的なのですが、タイではまだ船酔いを経験していません。
強くなった!?

サワディーカップ。
前回投稿のワットプラケオの続き。

前回投稿↓

今日は、同じく「三大寺院」の一つである「ワットアルン」です。


陸で行くか水で行くか

「ワットアルン」は、バンコク市街から見るとチャオプラヤー川を挟むので、
ぐるっと回って行くもよし、船で川を渡るのも良し。

陸からだと、MRTの「イッサラパーブ」駅から徒歩かトゥク
徒歩だと15分くらいかかる距離なので、暑い日はちょっと億劫かも。

おススメは船で行く方法
バンコク側にある「ワットプラケオ」「ワットポー」も周るなら、
「ワットポー」近くから出ている船を利用できる。
ターティアン船着場」から渡し舟と水上バスが約30分間隔で出航していて、水上バスなら1分~2分、渡し舟なら5分ほどで到着するらしい。

僕はワットプラケオの北西にある「The Chang」という船着場から乗船。
直通ではなく、ワットアルンの観光付き1時間ツアーで船に乗せてもらった。
このツアー、1人1200B(約4500円)
ちょいと高い気もするけど、貸し切りだったしOK!


船内?販売の数々

細長く、レインボーの屋根がついている船が僕を乗せて動き出した。
川は前日までの大洪水で濁っている。
ちょっと盛り上がるとすぐに調子に乗ってスピードを上げてくるけど
風とちょっとした水しぶきで気持ちいい。

汗びっしょりだったのでサバーイ!

途中、小船を漕いだ人が近づいてくる。
お菓子やお酒を売っている。
新幹線や飛行機の車内販売みたいな感じか?
100BのLEOをいただく(高いて!)。
船で飲むビールも最高!

気づいたら船頭さんにもビールおごってた…

ワットアルンで停泊

ツアーの中盤、ワットアルン前の停泊所へ到着。
「20分後に帰ってきてね」と言われ、自由行動。

ワットプラケオとは明らかに違う様式の建物が。
こちらはヒンドゥー教要素が強いらしい。

ちなみにチケット売り場らしきものがあったけど
スルーして入っても何も言われなかった。
ダメだったかな?

敷地自体は狭いけど、目の前で見るとかなり圧巻だった。

右の階段は上がれるかと思いきや、進入禁止だった。


三島由紀夫と「暁の寺」

ワットアルンは別名「暁の寺」と呼ばれている。
三島由紀夫の小説『暁の寺』のモデルとなった場所だ。

小説の中の印象的な表現である「皿」の描写。
この皿も、壁にたくさん貼られていた。

せっかくなので引用。

近づくにつれて、この塔は無数の赤絵青絵の支那皿を隈なく鏤めているのが知られた。いくつかの階層が欄干に区切られ、一層の欄干は茶、二層は緑、三層は紫紺であった。嵌め込まれた数知れぬ皿は花を象り、あるいは黄の小皿を花心として、そのまわりに皿の花弁がひらいていた。あるいは薄紫の杯を伏せた花心に、錦手の皿の花弁を配したのが、空高くつづいていた。葉は悉く瓦であった。そして頂きからは白象たちの鼻が四方へ垂れていた。
 塔の重層感、重複感は息苦しいほどであった。色彩と光輝に充ちた高さが、幾重にも刻まれて、頂きに向かって細まるさまは、幾重の夢が頭上からのしかかって来るかのようである。すこぶる急な階段の蹴込も隙間なく花紋で埋められ、それぞれの層を浮彫の人面鳥が支えている。一層一層が幾重の夢、幾重の期待、幾重の祈りで押し潰されながら、なお累積し累積して、空へ向かって躙り寄って成した極彩色の塔。
 メナムの対岸から射し初めた暁の光りを、その百千の皿は百千の小さな鏡面となってすばやくとらえ、巨大な螺鈿細工はかしましく輝きだした。
 この塔は永きに亘って、色彩を以てする暁鐘の役割を果たして来たのだった。鳴りひびく暁に応える色彩。それは、暁と同等の力、同等の重み、同等の破裂感を持つように造られたのだった。

三島由紀夫『暁の寺』より

実物を見て改めてこの文章を読み返すと、
文豪と同じ場所に立ったことの感動がある。
ちょっと話がズレるけど、文学の面白いところの1つだと思っている。

2年前、オンライン授業の一環として
「おくの細道」の東京部分を歩いてみたことがある(実際には川沿い)。
目の前の景色と、それを言語化したものと。
これを見比べることは何とも言えない感慨がある。


まとめ

「ワットプラケオ」と比べるとやや狭いけど、
寺院巡りの一つとして訪れると、その特異性に気づく。
船旅込みで行ってみる価値ありです!


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