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山田晃士選手、ザスパに来てくれてありがとう。


先日、ザスパクサツ群馬からの発表に衝撃を受けた。

それは、

山田晃士選手の退団。

クラブは今シーズン限りで山田晃士選手がチームを離れることを発表した。


私の推しが…。

まさか、推しが、私の愛するクラブを去るなんて。


酷く受け入れられ無い現実だったが、推しが決めた事なら仕方ない。

ありがとう山田晃士選手。

BIG LOVE 山田晃士選手。




私には、これまで推し選手がいなかった。

なぜなら、ザスパでプレーしてくれる選手全員が推しだったからだ。


しかし、山田晃士選手がザスパに来てからは別だ。

山田選手の"熱血"過ぎる言動・プレーに心を打たれ、山田選手に心酔した。

そして、人生初の「12番」以外のユニフォームを買った。それは「44番・YAMADA」のユニフォームだ。


私は、山田晃士選手が好きだ。

好きな理由を挙げればキリが無いが、めちゃくちゃ好きなのだ。

それゆえ、ザスパを去るのはめちゃくちゃ寂しいし辛い。


サッカー選手として素晴らしいのは勿論だが、人間性が素晴らしい。ザスパで成功して欲しかったが、それが叶わない事が決まったいま、他のクラブでサッカー選手として成功して欲しい。



色々言いたいことあるけど、

ザスパに来てくれてありがとう。




山田晃士魂の鼓舞


山田晃士選手は、2021年シーズンに早稲田大学からザスパクサツ群馬に加入した。

身長179cmでGKとしては小柄だが、最後尾からの闘争心溢れるコーチングと魂のセービングが特徴の選手で、将来を嘱望された。

プロ1年目は、試合出場の機会こそ巡って来なかったが、山田選手に注目が集まった出来事があった。


それは、ロッカーアウト時の"魂の鼓舞"だ。



ロッカールームから出てくる先発選手を、控え選手・コーチスタッフ・関係者が迎えるのだが、その時の山田選手の声掛けが話題となった。


山田選手は、熱く魂を込めて選手を鼓舞し、ピッチに向かう選手達のモチベーションを上げる役割を果たしていたのだ。

しかも、選手個人の性格を加味し、ある選手には発破を掛け、ある選手には励ましの言葉を掛けるなど、優れた洞察力に注目された。


この熱すぎる"魂の鼓舞"がSNSで話題になり、他クラブの選手や槙野智章氏も反応し、山田選手の言動が賞賛された。


私もこの動画をキッカケに心を打たれ、山田晃士選手のことが好きになった。ロッカーアウト時以外では、ベンチ脇で誰よりも声を張り上げピッチに立つ選手を鼓舞し、勝利の草津節では明るいキャラクターでゴール裏を盛り上げた。

試合に出れない悔しさがあるなかで、気丈に振る舞い、チームのために行動を取れる、人間性の素晴らしさに魅力を感じた。


当時、ザスパは低迷しており、クラブ初の監督途中解任など不穏な空気に包まれてたが、山田選手の"魂の鼓舞"がそんな空気を吹っ飛ばしてくれた。

山田選手の振る舞いが、J2残留に大きく貢献した。

2021年シーズンの陰のMVPは山田晃士選手だった。




"緊急事態"で迎えたJリーグデビュー戦


2022年シーズン、プロ2年目を迎えた山田晃士選手は、浦和ユース時代に薫陶を受けた大槻毅監督と群馬で邂逅する。

この年は、櫛引政敏選手がレギュラーを掴み取った為、山田晃士選手は控えに回る事が多かったが、天皇杯でプロ初出場するとチームを勝利に導いた。


そんな山田晃士選手に、千載一遇のチャンスが巡ってくる。

チームでコロナ陽性者が続出し、GK4人中3人が離脱する緊急事態のなか迎えた第35節・東京V戦。この試合で山田選手は、Jリーグ初スタメンを飾ったのだ。

主力選手を多く欠き、GKの控えは無しという状況下、さらにはJ2残留争いが佳境を迎える中、山田選手は安定したパフォーマンスを見せ、東京Vの猛勢を最少失点で抑え、勝ち点1をもぎ取った。


この試合は声出し応援が解禁され、ウォーミングアップに迎う山田晃士選手を「ヤマダ!ヤマダ!ヤマダ!」コールでザスパサポーターが盛大に鼓舞したのが懐かしい。

私も味スタに駆け付けていて、山田晃士選手のJリーグデビュー戦を目に焼き付ける事ができた。山田選手の勇姿を見れて感無量だった。


このチャンスをモノにした山田選手は、続けて3試合に出場する。

第36節・琉球戦で敷島のピッチに初めて立ちクリーンシート。第37節・秋田戦で2試合連続クリーンシートを達成するとチームの勝利に貢献した。だが、4試合連続スタメンで迎えた第38節・山口戦では6失点を喫し、プロの厳しさを痛感した。


その後は、復帰した櫛引政敏選手に再び守護神の座を譲ったが、第2GKとして"魂の鼓舞"で仲間を励まし、J2残留に大きく貢献した。

J2残留を決めたホーム最終戦セレモニーでは、細貝萌キャプテンに代わり選手代表挨拶を担当した。熱く魂の籠ったスピーチは、ファン・サポーターの心を魅力し、山田晃士という選手がザスパでプレーしてる嬉しさを実感した。

また、大槻毅監督からの信頼も厚く、来シーズンは守護神・櫛引政敏選手を肉薄し、レギュラーの座を掴み取るのではないかと思われた。


しかし、そんなに甘くは無かった。。





勝負の3年目は、まさかの3番手。

2023年シーズン、大卒3年目は飛躍の年になるはずだった。

しかし、そこにライバルが現れる。

浦和レッズから完全移籍で、GK・石井僚選手が加入したのだ。

石井選手は、山田晃士選手の浦和ユース時代の2個下の後輩。191cmという恵まれた体躯に、足元の技術が高い現代型のGK。山田選手は、2番手の座を石井選手に譲りメンバー入りも出来ない日々が続いた。


そんななか迎えた、天皇杯・東京V戦。控え選手を主体に臨んだメンバーの中で、山田晃士選手はベンチ入りをする。

先発は、ザスパデビュー戦を迎える石井僚選手。

ユース時代の後輩で、かつポジション争いに敗れ、スタメンの座を譲ってる状況。屈辱と似た感情を山田選手は抱いていたに違いない。しかし、そんな中、取った行動が胸アツだった。


ロッカーアウト時、ピッチに向かう石井僚選手に笑顔で励ましの言葉を掛け鼓舞したのだ。

「行こうぜリョウ!!楽しんでけ!楽しんでけ!いけるいける堂々と!!!」

石井僚選手の緊張した表情を察し、楽しんでけ!と声を掛けた。


石井選手が天皇杯で活躍すれば、山田選手が試合に絡む機会はより遠のく。それでもGK仲間として、ザスパの選手として、石井選手の背中を力強く押したのだ。

ここまでチームの為に犠牲を払い、闘える選手は稀有だと思う。

山田晃士選手のことがより好きになった。


天皇杯は逆転負けを許し惜しくも敗退した。

山田晃士選手はこの試合を最後に、メンバー入りする事無く、ベンチ外でシーズンを通して過ごした。




退団

2023年11月16日。

山田晃士選手は、ザスパからの契約延長オファーを断り、退団することを発表した。

退団の理由は、今挑戦しなければ悔いが残ると思ったから。


山田晃士選手らしい理由だった。

ザスパでの挑戦は終わった。

ザスパでプロキャリアをスタートしてくれて、沢山の挑戦をしてくれて、沢山の好影響をクラブに伝染させてくれて、ありがとう。


だが、正直なことをいうと、2024年シーズンも一緒に闘いたかった。

でも、仕方ない。

山田選手が決めたことだから。


良いクラブに巡り合って欲しい。

「なぜ、ザスパは山田を使わなかったんだ!」と言わすくらい活躍して、皆を後悔させて欲しい。

そして、また、敷島で会いましょう。


山田晃士選手、ザスパに来てくれてありがとうございました。

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