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コーディネーターに必要な気質とは。やりたいことは、やったらいい。社会に本当に必要なことは収益化できる。~DRIVEキャリア主催「クロストークライブ」より~

DRIVEキャリアでは、ソーシャルセクターで働くリアリティをつかむトーク企画「クロストークライブ」を定期開催しています。>>詳しくはこちら

今日は、8月22日(木)NPO法人ETIC.オフィスで開かれた「人が応援され、つながる。その仕組みをつくる仕事」をテーマにした回の様子をお届けします。

この日のゲストは、NPO法人アスクネット 山本和男氏、更生保護法人日本更生保護協会 石畑美幸氏、株式会社次世代共創企画 山中昌幸氏。

冒頭で3団体、それぞれが取り組んでいる社会課題、事業内容、ビジネスモデルやステークホルダーの特徴などをご紹介いただきました。

プレゼンの後はクロストークに。やりとりの一部を共有します。

―—コーディネーター職(人をつなげる仕事)ってあまり世の中にない仕事なので、転職市場で即戦力がいない分野です。どんな基準で人を採用しているのですか?

  • うちの組織が、がんばっている人を応援するカルチャーが強いので、がんばっている人に弱い(笑)また、「教えたい」という意欲が強い人は向いていない。こちらから一方的に判断するというよりは、選考過程で辞退する人が多い(山本さん)

  • 地域の活動も同じです。ティーチングよりもコーチング(相手から引き出す)が大事。「自分が何かやりたい」というよりかは、「地域の人たちが輝くお手伝いをしたい」という人は向いている。コンサル的に上から目線で教えたがる人は地域の人からそっぽむかれる。(山中さん)

  • 休眠預金事業のプログラムオフィサーは、現場に圧倒的に知見がある。上から指導するような姿勢は取らない。会話のキャッチボール、壁打ちの中で、新しい気づきを見つける。一緒に考えていけることが大事。(石畑さん)

  • このスタンスは「人をつなげて場をつくる」仕事では共通している(山中さん)

―—職場の雰囲気はどんな感じですか?

  • 法人名(更生保護法人日本更生保護協会)から堅い雰囲気を想像していたが、実際に入職したら、意外にやわらかかった。地域の更生保護団体さんが、採れた野菜のおすそわけをしてくださったりする。穏やか。長く支援を続けていくことが大事なので、成果主義のようなギスギスした雰囲気はない。(石畑さん)

  • 専任は2人で、基本はプロジェクトベースで集まって仕事している。南アフリカ人、ドイツ人など、いろんな人たちとワイワイやっている。今日も昼からBBQしていた。(山中さん)

  • 自分は代表の3代目なので、当時と比べると変化もある。カルチャーは入職するメンバーがつくる。自分が入社1日目に「この団体、大丈夫かな?!」と思った。建物やパソコン等の備品とか。今より小さい規模だったので、すごく未成熟な環境だった。一般企業から転職すると、ゆるくみえる。でも、1年くらいで慣れるとお伝えしている。アスクネットには、新卒から65歳までいる。シニアのセカンドキャリアの方々も、意欲的に働いてくれている。20代と60代が一緒に楽しそうに学校現場に向かっている。(山本さん)

―—社会課題解決の事業に取り組むようになった原体験を教えてください。

  • 生まれ育ったのは、貧困家庭が多く、ニート、フリーターがたくさんいるような地域。中学生のときに「このままで日本大丈夫?」と思った。子どもたちがやりたいことをできる社会にしたいなと思った。政治家を目指そうと思って、NPOで修行した。でもやっていく中で、政治家向いていないな、現場でもっと変えていきたいと思って、今ここにいる。(山本さん)

  • 元々教員希望。中学時代は、あまりよい環境ではなかった。高校で全寮制の公立男子校だった。この学校で、すごくよい先生に出会った。世の中の面白い仕事をしている人を話してくれ、今でいうキャリア教育のようなことをしてくれた。それがすごく嬉しくて、教師になろうと思った。大学時代に、中国に留学に行ったら、中国の若者達は夢を持っていた。日本でも、若い人たちが夢をもてると良いなという強い想いをもった。原点はここにあるけど、色々な出会いがあって、ここに導かれた。(山中さん)

  • 以前は、番組制作の仕事をしてきた。メディア業界で世の中の情報を発信する側にいるのに、「社会のことを分かっていなのでは?!」と感じていた。身近に精神障害のある人がいて、福祉に関心をもつようになった。ある機会に24時間365日相談窓口をやっている事業所を訪問した際に、薬物依存症の方とお話した。年齢も近くて一見自分と変わらない普通の人なのに、どうしてそうなったのかと驚いた。もう少しソーシャルな仕事がしたいと思うようになり、資格もとったが、現場の支援員よりは、これまでの仕事の経験も活きる中間支援の役割を選んだ。(石畑さん)

―—現場支援よりも中間支援が向いている人ってどんな人ですか?

  • 中間支援はデスクワークが多い。事務作業やデスクワークを通して、事業やその先にいる対象者に貢献することに、醍醐味を感じられたり、そういう作業自体が苦じゃなかったりする人ではないか(石畑さん)

―—今後の展望を教えてください。

  • アスクネットは、愛知中心。でも、他の地域から声がかかっても断らないようにしている。日本がよくなる、世界がよくなるためには、自分達が大きな影響力を持つことも大事。なので成長したい。学校をよくしたいという相談も、断らないと決めている。そのために自分達はやっているから、それを断ったら、やっている意味がない。でも、人を雇っているし、事業性も大事。社会にとって本当に必要なことは、後から収益化できることもあると経験から感じている。そのため、必要なことは無邪気に始めて、あとからしっかりビジネス化することを意識している。(山本さん)

  • 次の事業の立ち上げを今後考えていきたい。更生保護は、草の根活動の領域。助成金を獲得して、活動している状態。他の組織との連携なども、これから考えたい。新しい事業を考えたい人は、ぜひご一緒しましょう。(石畑さん)

  • 「響き合う地球」を目指している。一人ひとりの命が輝いて、お互いに響き合うようなことを淡路島からやっていきたい。都会では、周りで眉間にしわを寄せて働く人が多く、私も心苦しかった時が多かった。でも淡路島では自然体でやっていきたいと思うようになった。笑顔でやっていると、かえって人が集まってくるようになった。(山中さん)

―—最後に、転職を考えている方へ一言

  • やりたいことはやったらいい。それにつきる。淡路島の人たちは、みんな輝いていて素敵だなと思っている。みんな、移住する、起業する、など一歩踏み出しているので、行動に起こすのは大事だなと思います(山中さん)

  • ソーシャルセクターの一番のメリットは、人とのつながり。普通に会社に勤めていては会えないような人や勉強になる相手に出会える。出会いのきっかけが、いろんな所にあるのは魅力的。(山本さん)

  • 転職してよかったと思っている。会社よりも、柔軟な組織で働きやすい。生活していく分のお給料はちゃんともらえますし、自分の中で深めたい領域にも関われている。20代でかなり忙しく働いて、30代で転職した。今は、自分のペースで楽しく働けている。(石畑さん)

■各団体の求人情報はこちらをご確認ください。


「クロストークライブ」は、夜7時から開催です。今後の予定は、DRIVEキャリアのイベントページ、または、NPO法人ETIC.のホームページからご確認ください。皆さんのご参加お待ちしております。

▼9月10日(火)19:00〜@オンライン
日本から世界の海を変えていく仕掛け人たち

<ゲスト>
・株式会社北三陸ファクトリー
・株式会社UMITO Partners
 👇詳細、お申込みはこちら

▼9月12日(木)19:00~@渋谷ETIC.(対面)
孤立しがちな人達の可能性に焦点をあてる

<ゲスト>
・Relight株式会社
・NPO法人WELgee
・ピープルポート株式会社
👇詳細、お申し込みはこちら


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