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自己紹介:フードアートと私

こんばんは。
初めての記事なので、自己紹介しますね。

考えてみますに、食べ物で本格的にアート作品を作ろうと思ったのは、割と最近で、必要に迫られて、でした。

当時私は、アメリカの美大生で、漫画が研究対象だったので、それにまつわる画力、美術史、美術論などを学びたくて美大に通っていました。

美大って、思ったよりも、とても努力がいる所でした。絵は小学校から評価されていたのですが、周りがアートで食べていこうとしている人達もいる環境で、(中にはお母様が画家で、家にアトリエがあり、ヌードモデルを高校よりも前から、描いていた、なんていう人もいました。)専門的な訓練を受けていなかったため、画材の使い方も知らない私は、驚きの連続でした。

課題をどんな風に作ろうかというアイディアは、たくさんわきましたが、
いざそれを形にしようとすると、思ったようにいかず、毎日 ほぼ徹夜で作品を仕上げていました。

最初デザインや素描をしたのですが、久しぶりに描く絵は面白くて、わあ何て面白いと思ったものです。

ところが、3次元の彫刻や、陶芸をし出したら、そちらの方がずっと面白いと気づき、どうしてもっと早くしなかったのかと、残念でした。

フードアートとの出会いは、(というか真剣に取り組むきっかけは)彫刻のクラスでした。手に力がなく、石などを彫る前に、運ぶのだけでよろよろして、怪我をしそうになっていて、これでは、思い通りの作品はできないと、気づきました。

そこで思いついたのが、前から好きで作っていたお菓子などを使えないかということです。食べ物を素材として、作れば軽いし、安価なので(日本よりずっと安くお菓子の材料や果物、野菜が手に入ります)やりやすいのではと、思ったのです。

かくして、私の食べ物でアートを作る試みはスタートしました。その頃出会った物に、フルーツカービングと、ケーキデコレーションがあります。

フルーツカービングは、タイ旅行のパンフレットにあった、赤いフリルのような物が、実は彫られたスイカだったとわかった時の衝撃から、始めました。タイ人の先生が作られた、英語の動画のプログラムで、です。

ケーキデコレーションは、ウィルトンというケーキ用品の会社が開いているお教室に通って習いました。ウェディングケーキまでできます。こちらも、日本で取ろうとしたら、10倍ぐらいして驚きました。

そして徐々に、食べ物でアート作品を作り出したのです。見て、更に見たくなる、心が幸せになるような作品を目指しています。

作品を作り出して1年ぐらいの間に、先生の紹介で、「食べられる本」の展覧会に応募して、入選したり、パティシェーとコラボする機会も与えられました。私のデザインで、フランス菓子のパティシェーがステンドグラスのクッキーを作ってくださり、ニューヨークまで見に行きました。

知り合いのオーストリア人達が結婚されるので、3段のウェディングケーキを作ったり、ミューシャのポスターをケーキアイシングで作ったりしました。フルーツカービングで、アメリカのテレビにも出ました。やってみると、面白い物ですね。

材料の安さに助けられ、1メートルぐらいの作品も作りましたから、いい思い出です。

複雑にからみあったケルト文字をアイシングでしぼったりしていたのも、その頃です。日本では失敗続きだったパンが美味しく焼けるようにも、なりました。苦手なこねることを、しなくていいレシピがあったからです。

2~3年失敗続きだったので、うれしくて、そのレシピ本の作者にお礼のお手紙を書きました(そうしたら、御返事がきました^^スーザン ダナウェイさんという方で、No Need to Kneadという本の著者です。)

このように、新しい技を習ったり、できなかったことを克服したりしている間に、アメリカ滞在は終わりを迎え、日本に帰ってくることとなりました。

帰国したら、材料の高さなどの壁はあったのですが、英語で色々な技術を学ぶことは、続けており、4年ぐらい前から、中央アジアのパン(ノン)や麵打ちに興味を持ち、作り続けています。

その前に、モロッコやシチリア島、サルデーニァ島のパスタやパンにも興味がありました。複数の興味が進行する形で、現在も学びが続いています。

それに最近、アイコンにもなっている北欧のクッキーが加わりました。日本の和菓子で型を使う物が美しいと思うのですが、こちらのクッキーもそうなので、作り方を練習しながら、自分らしいバリエーションを加えていきたいと思っています。

好きこそ 物の上手なれ、って本当だなあと思えたのは、このクッキー型を作っているアメリカの会社主催のコンテストで優勝したことです(2021年)。12月に結果がわかったので、うれしいクリスマスプレゼントになりました。

折を見て、パンやクッキーのオンラインクラスができたら、楽しいと思っています。私の作り方を真似してほしいのではなくて、その方なりの、個性が生きる造型を、食べ物で作るお手伝いができたら、楽しいと思っています。

自己紹介は以上です。ここまでお読みくださった方、ありがとうございました。

写真はNoteをされている、wataridoriさんの物を使わせていただきました。素敵なお写真ありがとうございました。

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