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心不全を診断するために ~症状や基礎疾患~


どのような時に心不全を疑うでしょうか?
典型的な心不全の症状は「労作時の息切れ」「下肢や顔面の浮腫」等です。患者さんの言葉に直すと、「歩くと疲れる」「足や顔がむくむ」ですね。基本的に心臓は、「全身から血液を回収して」「酸素化して全身に送り返す」仕事をしています。そのため、心不全の方は
・血液を回収しきれない⇒回収できなかった水分が肺や足にたまる
・全身に十分に送れない⇒労作時に必要な酸素をもらえず、息が切れる
により、上記のような症状が出る方が多いです。
心不全を起こす方は、心不全の原因となる基礎疾患を必ず持っています。代表的なのは高血圧や不整脈、糖尿病等ですね。もちろん、危険なことで有名な心筋梗塞も心不全の原因となります。これらの基礎疾患も、心不全のヒントになります(患者さんが基礎疾患を自覚していないことがあるので、「何も病気をしたことない」を鵜呑みにしないように!)。
では、検査所見からはどのように疑うでしょうか?胸部レントゲンで心拡大や肺鬱血をきたすことも有名ですが、心胸郭比の計算や鬱血の診断にはある程度の慣れを必要とします。数字として分かりやすいのは、BNP/NT-proBNP等のバイオマーカーですね。後のnoteで記載しますが、バイオマーカーは高い感度・特異度を持つため、心不全に慣れていない方でも心不全を診断するきっかけになることが多いです。心不全の初期では、バイオマーカーが基準値以内(つまり赤字になっていない)こともあるため、解釈には注意が必要です。


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