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chapter Eternal“サンシャイン“

#みんなの文藝春秋
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『You can't get away from yourself by moving  from one place to another.
/Ernest Hamingway
あなたは何度旅してまわっても
じぶんからは逃げられない。/
アーネスト・ヘミングウェイ』

コロナwithサンシャイン

 
それは3月ウサギからはじまった。(おお、忙しい!)

正確にはあれは2020年4月19日なんだけど、
その日の雨の午後
私は職場からもう自宅に帰っていいと言われる。コロナが本格的になって会社は従業員のほとんどを自宅待機というか、「自粛生活」にした。
不安ではないかというと
そういうワケではないけどこれはステキなサプライズだと思った。(内心ヤッター!)

だいたい無職になる以外、
私のようなサラリー(勤め人)が大手をふって長期休める機会なんてない。
猛威を震いだした未知の感染病の恐怖もあるにはあるけれどじつはこの期間はまるでギフト。

早朝ウォーキング、
見慣れた大倉山に朝もやがはじまりを告げる。
この雨上がりの空気の匂い(AM5:00
こころに染みる。/mayaya
近くのお寺は早朝に門が開いていて
私は満開の藤を見つけた。

この感動!これはまるで「陰陽師」の
『蜜虫(藤の花の精霊)』
20年以上住んでいるのに
しらなかった。
誰もいないお寺の境内でわたしひとり。
藤の中にただひとり。

brings wisteria


失ったものより獲たものを数えて

いちばんの贅沢は
「誰もいない。」

夜明けの早朝なのでほとんど人がいない。
得体のしれないウィルスも早朝なら感染リスクが低いかと思った行動からはじまる。

このままウィルスが進行して
会社がつぶれたら助成金どころか自然に仕事も失う。

世間はもう、そうなりだして
私はいつ死んでもいい、というような
「今日がよければ明日はどうでもいい」という刹那的な生き方ではなくて
この日この時この瞬間を味わうような、
そんな生き方を心がけたいと思う。

見ておきたいものはなんですか?
魂に刻んでおきたいことは?

夏みかんの白い花のあいだから
夜明けの朝陽
この瞬間
わたしがなにを思ったか、
わかりますか?
夏みかんと柚子の白い花の香りを
わたしは知っています。
夜明けの。


chapter “春spring Dew“

「夜明けの貴重な時間の体験」
実験的で試験的なこのアイディアは
少なくともマーサスチュワートのいう
「雑誌100冊分のアイディア」は
たとえば海外のガーデニング雑誌ような。

ゼラニウムの香りに癒されることは?
ペパーミントの香りがもっとも強く感じるのは?
わたしの好きな鈴蘭
どんな音がすると思う?
朝露の香りを想像してみて。
はじめて出会ったとき
ときめいた。
高貴な、
nobleな香り。
横顔がすてき。
香りが写真に映らない!
花びらが陽に透けるとき
この瞬間をたいせつにしたい。
すこし幸せそうに見える。


chapter  エターナルサンシャイン

ふと、思う。は「天使のささやき」だと思って行動するとセレンディピティな現象が現れる。
ガーデニングの手入れをする職員さんに
「ここは何時から開いてますか?」ときくと
「ずっと開いてます」と教えてくれる。

わたしはそのとき
朝露の中でフランス産の紫の!薔薇をみたいと思った。
そのほかの海外の品種の薔薇たちも。

それでもゆるやかに時は過ぎてゆく。

朝露の薔薇の中でいつもそう思った。

Tuesday