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NFTと音楽

今回はちょっと難しい話をしようと思う。
コロナ禍の影響があってか、はわかりかねるが、デジタルアートや作品についてのいわゆる「原盤権」に、にわかに注目が集まっている。少なくとも僕の触れるメディアでは。

著作権は必ず「作った人」が持つことになるが、原盤権はまた別の企業が持つ可能性がある。ずっと音楽や画像・写真に関しては微妙な問題になっていた。宇多田ヒカルが10年くらい前に全米発表曲を集めたベスト盤のリリースで不買喚起のアクションを起こしたり、テイラー・スウィフトは原盤権をレーベルが持っているのに反発して、同内容の楽曲を自身で再録音しているという話も聞く。

この「原盤権」が、技術の進歩により個人でも持てるようになった、というのがめちゃくちゃ面白い。
これには「非代替制トークン=NFT(Non-fungible token)」という技術が用いられるが、簡単に言うと”購入経路をデジタルで残してそれをデータとして埋め込んだりネットに残すことで、その人の所有権を証明する”ということらしい。

面白い事例がある。
Twitterの創始者ジャック・ドーシーは、自分のTwitterの最初のツイートをオークションに掛けた。これは検索すればいつでも見られるし、コピー&ペーストもできるが、所有権はこのツイートを3億円で落札したマレーシアのIT会社の社長が持っている。つまりこれを商売で使おうとしたりする場合には、この社長に権利状態を確認したり、場合によっては使用料を必要とする場合があるということだ。

ということはつまり、NFTは音楽や映像、画像・写真にも付与できる。
アーティストにとっては表現とマネタイズの幅がぐんと広がるし、別の個人が権利を所有することができる(もしかすると勝手に商品化をされる可能性もあるが、そこは当事者間で取り決めておく必要はある)。
例えば、事務所に属していないYouTuberが自分の動画のジングルをミュージシャンに依頼して、それを「一点物」として価値付けすることができる。
例えば、二人にとって一生の思い出になる結婚式のBGMアルバムを、依頼されたミュージシャンが制作して、二人だけのものにすることができる。
いずれも使う際に「だれかに怒られないかな…」という懸念を振り払った状態で使うことができるし、デジタル販売で有償化して、自分の収入やブランドアップ、ご祝儀の代わりにすることだってできる。(商品化して売上が出たときの歩合率とか報酬はアーティストと握っておかないといけない。)

これからアーティストの作品の価値が、これまでの
①多くの人のためのエンタメ(売れなきゃ続けられない)
②自分の表現手法の一つ
に追加されて
③誰かのためのもの(自分のものだと主張できるもの)
になる時代が来ると思うと、これはめちゃくちゃ面白い。

NFTの生成にカーボンフットプリントという炭素がめちゃくちゃ使われていて、脱炭素に向かう世界で環境破壊に繋がる、という懸念もあるようなので、まだまだこれからの考え方ではあるけれども。そこは軽量化する技術革新に任せよう。さすがに無理。

今回何が言いたかったか、というと…
コロナ禍で、プレイヤーが演奏できなくなってしまって。
でも一方で、家でも、ネット上でできるやん、ってなったけど、今はまだプラットフォームや企業に頼ってやらないと難しいし、有名人、著名人しかうまく収益まで持っていけないと思う。
その打開策としてこんな考え方があるよという話が書きたかった。
こないだ見つけたdownwriteって海外のサービスはまさにそれだと思っていて、なんかBRAIDのBobやChrisに曲を作ってももらえるらしいよ。個人でも。ほんとわけわかんないけど、すごい時代になりつつあるんだ。

これ、いまなら絶対ビジネス化できるよ。だれか出資してください。スキームはあります!僕やりますので(笑)。この記事自体、NFT化できないかな?パクられたらやだな〜笑

2021.6.11 妹の誕生日に @ryotaroniimi

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