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FLEX Park 2024 各賞の発表!

 前回までの記事にて2日間のワークショップの内容をお伝えしましたが、発表・審査を経て、いよいよ各賞が決まりました!各チームの作品の内容と共に紹介していきます。


各賞の作品紹介

総合優勝:チーム「ははけは」

チーム「ははけは」

 見事総合優勝を獲得したのはチーム「ははけは」です!「ははけは」というのは参加者の頭文字を取ったものだそうで、たまたま「は」の人が多く、一人だけ「け」だったようです。
 作品の方は、車椅子生活を送る会社員が、自宅のマンションから会社まで、地上の渋滞を回避して空飛ぶクルマを使って行くというものです。

車椅子生活を送る会社員が、自宅のマンション(写真左)から会社のあるホテル(写真右)まで、 地上の渋滞を回避して空飛ぶクルマを使って行くというもの

 自宅のマンションは緑化がされており、屋上にはソーラーパネルも完備しています。また、金色の端材は自動ドアで、開くと空飛ぶクルマごと屋内に引き込むことが出来るようになっており、雨の日でも濡れずに乗れるような配慮がされています。他にもベンチやトイレなど、快適に待つための工夫もされています。

自宅マンションの離発着ポートの模型

 着陸した先はホテル屋上のポートで、屋上階層にはバーがあり、エレベーターで降りると会社のオフィスがあります。離発着場とオフィスの間にはエレベーターも配備され、機体ごと下がってそのままオフィスに行けるようになっていたりします。

会社側の離発着ポートの模型

 このように色々な工夫があり、細かな配慮がされた点は評価されたポイントだったのではないかと思います。また、それらの工夫を伝えるためのプレゼンも秀逸で、短い発表時間の中でしっかりとアピールが出来ていました。総合優勝、おめでとうございます!

ムラヤマ賞:チーム「あくてぃぶ」

チーム「あくてぃぶ」

 続いてムラヤマ賞を受賞したのはチーム「あくてぃぶ」です!本チームの作品は、家族でスキー場に行くのに空飛ぶクルマを使うというもので、街の離発着場から雪山まで向かうという案です。

家族で街中の離発着場(写真左)から雪山のスキー場(写真右)に行くという設定

 街の離発着場は緑豊かな環境で、子供が遊べるブランコがあったり、くつろげるソファもあったりと、家族で楽しめる場所となっています。空間デザインを評価するムラヤマ賞が贈られたのは主にこの点で、上手く空間を作っていた点が評価ポイントでした。

街中の離着陸場。様々な憩いの場が設定されている

 目的地である雪山の方は、透明さを出すためにペットボトルや廃材が活用され、上手にその世界観が表現されています。山の周囲の雪も緩衝材を使って表現されていて、主催側では用意していなかった材料を効果的に使っていた点も面白いポイントでした。

スキー場のある雪山側。雪に囲われており、周囲を楽しませる船やイルカまで用意されている

 なお、ムラヤマ様の視点から書かれたオウンドメディアの記事も公開されましたので、そちらもぜひご覧いただければ幸いです!

フォルム賞:チーム「GT-R」

チーム「GT-R」

 最後にフォルム賞を受賞したのはチーム「GT-R」です!本チームの提案は、世界各地を飛び回るカメラマン兼インフルエンサーの人が、現地の写真撮影を行うために空飛ぶクルマを活用するというものでした。着眼点だけでもとてもユニークなものですが、さらに廃材を上手く活用していた点がフォルム賞受賞の大きな要因となりました。

市街地のホテル屋上の離発着場(写真左)から、や山岳地帯(写真右奥)を通り、
貧困地域(写真右手前)へ

 模型は3つものシーンを作ってくれました。まずは市街地の離発着場。ホテルの屋上から飛び立てるようになっており、利便性が考えられています。ホテルの窓が付箋で表現されているのも面白いですね。

市街地のホテル屋上の離発着場

 続いて山にある離発着場です。山の中では電波が通じず、時間通りに行けないのではという心配がある中、しっかりと電波塔があり、その心配にも対応しています。待合室も完備されているようですね。

山の中の離発着場

 そして最後は貧困地域です。空き地を離発着場に出来るようにしながら、柵によって安全の配慮もしているようです。日本に住んでいるだけではなかなか発想出来ない、広い視野を持った提案でした。

貧困地域の離発着場

ワークショップを終えて

 このワークショップを設計し始めた時、「離発着場」というテーマではあまり幅が出ないのではという懸念を持っていました。しかしながら、事前課題を見たり当日の作品を見る中で、高校生達の発想の豊かさはその懸念を十分に払拭してくれるものでした。各チームとも個性が出ており、一つとして同じものはありませんでした。
 またアウトプットの作品も、LEGO®️と廃材という限られた材料を上手く活用し、作りたいものを見事に表現していました。この廃材についても有効に活用してくれるか少し心配をしていましたが、これらの写真が物語る通り、それは全くの杞憂でした。

LEGO®️と廃材を使って工夫する高校生達

 さらに発表についても、ストーリーを語った上で、こだわりのポイントを説明するという少々ハードルの高いものでしたが、自分の言葉でしっかりと語っていました。大人も含めて聞いている人達もスッと理解が出来ました。
 最後の投票結果はかなり拮抗しており、どのチームの案も甲乙がつけ難い状況。。それぞれに良さがあり、まさに「正解はない」ということを体現していました。3チームとも素晴らしい健闘をされた結果であり、最大限の拍手を贈りたいと思います!

最後の集合写真

今後の動き

プロトタイピング〜大型イベントでの展示へ

 今後については、総合優勝のチーム「ははけは」が、Dream Onや協力企業様と共に本格的な模型を作っていくことになります。試作はフォルム様、展示はムラヤマ様がご協力をくださり、主にレゴと廃材を使いながら仕上げていきます。提案のエッセンスをふまえながら、2ヶ月の中で新たな作品として生まれ変わる予定です。
 そして、完成した作品は11月下旬に豊田市で行われる大型イベントに出展する予定です。こちらの詳細は追ってお伝えしていきますが、数万人が来場するイベントにて、その作品がお披露目されます。当日はチーム「ははけは」のメンバーにプレゼンをしてもらう予定で、きっと忘れられない体験になるのではと思います。皆様もぜひお越しくださいませ!

 最後にワークショップの終わりに流した、2日間の歩みをまとめたムービーで締めたいと思います(「FLEX Park 2024とは」の記事に掲載したものと同じです)。それではまたお会いしましょう!