還暦になって分かった その14
「さあ、どっちの道に行く?」
某店のレジで問われた。
「当店のポイントカードはお持ちですか?」
これは、列に並ぶ前から用意していたから大丈夫。
「持っています!」
とさりげなくスマホを出す。
「楽天カードはお持ちですか?」
あ・・・どこかのアプリにあったはず。
「Tポイントカードは?」
えっと・・・・
「今月のクーポンはお持ちですか?」
えっと・・・・
「シニアカードなどありましたら・・?」
えっと・・・・
「そのほかのカードは?」
えっと・・・・
「お支払いは現金ですか?スマホ決済ですか?」
あああぁぁぁ・・・・
限界。千円札をそっと出す。
さあ、還暦。
この道についていくか?
それとも昭和に戻る?
さあ、どっち。
「曲がり角は突然に・・・」
ある朝、鏡をみたら、顔一面にシミができている。
おかしいぞ、昨日まではここまでシミができていなかったはず。それに、数年前からお高い「シミ予防化粧品」を塗っている。それなのになぜ?今朝になって、こんなにたくさんシミができているんだ?
加えてシワが深い。昨日まで、もう少し浅かったはず。こんなにも、ほうれい線が彫刻刀で削られたような深堀りではなかったはず。なぜ?夕べ、いったい何があったんだ?そもそもシワ予防も「絶対に効きます」っていう、お高い化粧品を日々、ぬりぬりしていたじゃないか。どんなに忙しくても(そんなに忙しくない)どんなに夜更かししても(そんな遅くまで起きてない)、しっかり塗っていたのに。
なんてことだ!
還暦カーブは ゆったり曲がるはずじゃないのか?
突然の四つ角もあるのか?
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