夢かんてん

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最近の記事

赤ちゃんが日記 36

立ったよ!僕。自分の2本の足で、立った! もちろんまだ、母が支えてはくれるけど、でも立ったんだ。すごい。見える景色が違うのさ。隣の部屋の奥や、窓越しの外も遠くまで見えるし。テーブルの上も見える。いつも「触っちゃだめ」って言われているゴミ箱の中も見える。すごいよ、立つと。これはビックリ。 立ってみたら棚にかかっていた僕の帽子にも手が届いたんだ。だから思い切り引っ張ったら、棚が倒れてきて・・・セーフ。母よありがとう。あまりにも嬉しくて、ジャンプの真似をしたら、すぐに尻餅。いかん

    • 赤ちゃんが日記 35

      今日は平日だよね?あれれ?なんで父はウチにいるんだろう? 会社行かないの?まあ、いいか。 この先、僕が保育園に通い出して「行きたくないよぉ」って言ったら「休みな」って言ってくれるんだろうな。父も母も。 そして不安な顔をするんだろうな、おじいちゃんとおばあちゃんは。 とりあえず「個人の意思を尊重しよう」って言う国に生まれてきたと信じているから。それはひとまず、安心していいのかな?きっと、いいんだろうよ。自分の気持ちも、人との関係も、いろいろあるだろうからさ。 でもね、夜中

      • 赤ちゃんが日記 34

        僕のずり這いのスピードが、最近すごくあがっていて、ちょびっとつかまり立ちも出来そうな予感して。父曰く「筋肉の発達がすごい」「運動能力がはんぱない」そうで。 「大きくなったらサッカー選手か、野球選手か?」って。 僕の指はとても長くて。おばあちゃんは言うんだ。「ピアノを弾くとうまくなる」「バイオリンかフルートもいいかも」と。「クラッシックを毎日聞かせていれば音感もすぐに良くなるよ」って。 母曰く、僕の身長は平均ラインの上を推移しているんだって。目も大きくて、まつげも長いし、鼻

        • 赤ちゃんが日記 33

          薄っぺらくて四角いあいつ、僕は嫌いさ。スマホ、っていうやつ。 母がケーキを食べていて僕が手を伸ばすと、母はスマホをポチポチ。「あーーまだ僕が食べられない成分が入っている。食べちゃだめ」って。あいつが言ったんだな。スマホが。 母が僕におっぱいを飲ませてくれているとき。知っているのさ、僕の左斜め下に置いているスマホをポチポチ。母は僕の顔じゃなくて、そっちを見ているのさ。 父のことも知ってるよ。オモチャで遊んでくれている感じだけど・・・右膝横に置いたスマホをポチポチ。あれは絶

        赤ちゃんが日記 36

          赤ちゃんが日記 32

          見たことのないオバサンが、部屋の前方に座っていてね。僕は、後方の椅子に座った母の膝の上。 この状況は、「英語体験教室」だそうだ。 壁には、折り紙で作られた鳥や花。あとはアルファベット?とかいう文字。床は綺麗な色の絨毯。ここにもアルファベット?とかいう文字が書いてあるよ。椅子も小さくてね、母が背中を丸めて座ってる。 あの楽器はなんだろう?ピアノは分かるけど・・・あとは、たぶんタンバリンとか鈴とか、地球儀もある。いろんな物がおいてあって・・・とにかく僕のキョロキョロが止まらな

          赤ちゃんが日記 32

          赤ちゃんが日記 31

          男性が部屋に入ってきた。少し猫背で少し白髪で、顔にシミとシワがあって。以前、合ったことはあるけど、僕は大泣きして・・・しっかり顔を見た記憶がないんだ。でも、今日は違った。おそるおそる僕の顔を覗き込むこの顔に、何かが繋がっているオーラを感じて。そっと指を一本差し出してみたんだ。そしたら、すごく嬉しそうな顔をして「僕ちゃんの指を握っていいんだね」って。 そうか!この人は僕の父の父だ。お爺ちゃんなんだね。へーーー 最近、いろんな大人に会う機会が増えて。前までは「母」「父」以外は

          赤ちゃんが日記 31

          赤ちゃんが日記 30

          知ってしまった、気づいちゃった、真実を。言いにくい話だけど・・・お風呂の中でオシッコしちゃいけないんだね。 この前の「ベビースイミング」の時。抱っこしてくれている母の腕の中でブルルと震えなからオシッコしたのさ。ちょっと気分よかったよ。そしたら母が小さな声で「あらら、僕ちゃん、出しちゃったね。まあ、いいか。でも、家のお風呂の中ではしないでね」って言うんだ。 え?いけなかったの?家のお風呂の中でもいけなかったの?知らなかったよ、全然。だって、誰も教えてくれないじゃん。なんでい

          赤ちゃんが日記 30

          赤ちゃんが日記 29

          食欲がない。食べたくない。最近、僕はあんまり食べたくないんだよ。 「夏の疲れ」なのか、よくわかんないんだけどさ。水分はとっているし、動き回って遊んでいるし。いろんな事に興味があるし、だから別に大丈夫だと思うけど・・・母が異常に心配してくれて。 でもね、父は手伝ってくれないそうで。週末も遊びに行っちゃうんだ。だから母は怒っている。泣いているとこも見たけど、僕にはなんとしようもない。そこに加えて僕も食欲がなくなっているから・・・そりゃ心配だよね。でも、ごめん。食欲がないんだよ。

          赤ちゃんが日記 29

          赤ちゃんが日記 28

          「一番好きなテレビ番組は何?」って聞かれたら、僕は答えるよ「朝ドラだよ!」って。意外?かもしれないけど、あれは面白い。ストーリーはあんまりよくわかんないけど・・・一番好きなのは「テーマ曲」なのさ。 お腹が空いていても、眠気が残っていても、あの曲が流れると僕はピタリと泣くのをやめて、画面に注視。時々、母が抱っこしてくれて一緒に踊るのさ。横に手を伸ばすとバランスを崩して転んじゃうから、そこはダメ。ご飯食べているときのBGMにしてくれると、おいしさ倍増。歌っている人は「米津玄師」

          赤ちゃんが日記 28

          赤ちゃんが日記 27

          最近、僕はなんだか強くなってきているみたいで。筋肉って赤ちゃんにもつく?つくみたいだね。置いてあった缶詰も一気に倒せたし、閉まっていたドアも押したら開いたし、父のスネに生息していた黒い物体も・・・あとから聞いたらスネ毛だって・・・握って引っ張ったら父が悶絶したし。 とにかく、強くなってきているみたい。ポニョポニョしているけど、実は筋肉があるみたいだよ。 だから試してみたんだよ。小さな箱に両手をついて、足を踏ん張って「よいしょ」って。でもだめだったー後ろ向きに「ばったり」 思

          赤ちゃんが日記 27

          赤ちゃんが日記 26

          右手の人差し指 と 中指。 これが美味しい。なんとも表現できないくらいな甘美な味。そして、口の中に入れていると、とっても落ち着く。心がすーーっとしてくるのさ。僕はこの2本が大好きで・・・特に寝る前に口に入れていると、気持ちよく寝落ちできる。 でも、この前、信じられない事が起きた。親戚のおばさんが、この2本の指を僕の口から引き抜いたんだ。「指を吸うのはやめようね」って。え?これはいけない事だったの?確かに指先はちょびっと赤くなっているけど、痛くも痒くもないぞ。なぜだ? もう

          赤ちゃんが日記 26

          赤ちゃんが日記 25

          「不安」って気持ち、初めて味わった。なんとも言えないモワモワした気分。自分ではどうしようもない、空っぽの穴を覗いた感じ。これが「不安」なんだね。 家に「赤ちゃん」が遊びにきたんだよ。僕じゃない「赤ちゃん」。あの物体は何?大きさは僕より少し大きいけど、僕のオモチャを取って。取り戻したら怒って。近くまですり寄ったら泣き出して。なに?あの「赤ちゃん」 もっと怖かったのは、母がその「赤ちゃん」を抱っこしたんだ。僕じゃなくて、違う「赤ちゃん」を抱っこしたんだよ。信じられない。そして

          赤ちゃんが日記 25

          赤ちゃんが日記 24

          ずり這いができるようになったら、部屋の中に変なものを見つけたよ。白くて四角い皿の上に支柱がそびえ立っていて、その上の方には丸いカゴが付いていて。中にぐるぐる回っている羽根があって。 「扇風機」って言うんだって。すごいよ、下から見るとブンブン迫力があってさ。手を伸ばしてみたら母が飛んできた-「やめてー」って。 その後、カゴにはカバーが付けられた。 部屋の隅まで行ってみたら、キラキラ光るペットボトルがたくさん並んでいて。水が入っているみたいで、転がしたらあっちへこっちへゴロゴ

          赤ちゃんが日記 24

          赤ちゃんが日記 23

          目が覚めたら車の中で。 どうやら2時間くらい僕は寝ていたみたいで。そして窓の外に見える景色が、家から見える景色と全然違っていたんだよ。近所のスーパーに向かう景色とも違って・・・緑色がすごくたくさん。はて? もっと違うのは、車の前の席に座っている母がとってもはしゃいでる。父と元気にしゃべってる。いつもとなんだか様子が違うぞ。はて? なるほど、これが「旅行」ってやつだ。行き先は「とても涼しい山の方」なんだって。これは僕もうれしいな。そろそろ「エアコン」ってやつにも疲れてきたか

          赤ちゃんが日記 23

          赤ちゃんが日記 22

          父が「げっぷ」をした。母は言った「食事中に『げっぷ』なんてしないでよ!」 はて?この前、僕が食事中に「げっぷ」をしたら「あらあら、『げっぷ』がでたね。おなかいっぱいかな?」って優しく言ったぞ。 そういえばほかにもある。「おなら」をしたら「あら~おならがでたねー」なんて言いながら僕のお尻をクンクン。それどころか、ウンチをすると「やったー!でたーー大きなウンチ!」って喜んでもらえて。 離乳食を食べているときも、僕がお椀を倒しちゃって。その時も「あらあら、倒れちゃったねぇ」って

          赤ちゃんが日記 22

          赤ちゃんが日記 21

          初めて桃を食べた!あの感動は言葉にできないくらい。 まず香り・・・甘くて優しくて、なんだか母乳みたいで。口に入れたときの桃果汁は、これまたビックリだったよ。芳醇な甘さ、って、あのことを言うんだね。したたり落ちる汁を啜りながら・・・美味しかったー どうしてこんなに美味しいモノをもっと早く飲ませてくれないの?おばあちゃんも言ってたよ「風呂上がりに白湯や果汁を飲ませなくていいの?」って。なんだか知らないけど・・・だめなんだって。人生100年なんでしょ?じゃあ、100年間たっぷり美

          赤ちゃんが日記 21