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77.自立とは 1

今回の記事は、少々重め。
重い内容が苦手な方は、他の記事をお読みください。

プロポーズを受け、付き合い始めた私たち。いや、順番おかしいけど、事実だから仕方がない。
付き合って、しばらくした頃、私は、何かがおかしいと思って、彼に尋ねました。
すると、彼は当然のように、「結婚は考えていない。」と仰います。
家族に挨拶するし、指輪も買うけど、「結婚は考えていない。」とのこと。ほう?

そして、彼は、私にこう言いました。
「自立して。」と。
ほほう?

正直、何を言われているのか、わかりませんでした。
当時の私は、生まれ育った土地を離れ、一人で生活をし、仕事にも就いていました。「これ以上、何を自立しろというのだろう?」

むしろ、誰より一人で頑張って生きてきた。
だからこそ、いつか一緒に生きてくれるパートナーが欲しいと思っていました。
そして、ようやく、現れたパートナーにこう言われたのです。「一人で生きて。」どういうこと???

その時の私は、まだまだ、頑張りが足らないと言われたような、悔しさを感じました。
それは、今まで生きてきた私の人生も否定されたような気持ちでした。

そして、なぜ、他の人たちは、家族やパートナーを持つことを許されているのに、私だけ、一人で生きなければいけないのかと、私だけが許されることのない、目に見えない罪を背負っているように感じたのです。

彼には、身近に家族がおり、会いたいと思えば会いに行けるのです。
もちろん、家族だからこそ、色々なトラブルがあることも承知です。
彼は、「家族のごたごたに君を巻き込みたくない。」と言っていました。
彼なりの優しさだったのかもしれません。

でも、彼や彼の家族の住む世界と切り離され、「一人で生きて。」と言われたことは、彼のしてくれた「僕と一緒に生きてほしい」というプロポーズを無かったことにしてしまうほどの衝撃でした。

彼の言う「自立して」は、「僕は君に甘えるけど、君は僕に甘えないで」という意味でした。
彼自身は、自立していないのに、なぜ私だけ、自立しないといけないのか、しかもそれを自立していない本人から言われないといけないのか。
私だって、人と支えあって、助け合って生きていきたいのに、許されないのか。

「自立して」

これが、彼に言われて、一番むかついた言葉でした。

その後、私は、頑張り続けて、体を壊し、病気が再発します。
そして、仕事も失うことになるのですが、それでも、彼は私に言いました。

「自立して。」
「僕が君に甘えてしまうから、一緒にいないほうがいい。」

彼が、甘えることができなくなったので、利用価値が無くなったのだな。
捨てられた。

そう思いました。

I love you.

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