11.影の本
生まれ変わり手続きの補習編です。
今回は、9.望遠窓を、うまく使えなかった私が、
最終的にどうやって生まれてくる家族を決めたのか という話になります。
10.人生計画を完成させた私は、8.「お世話係」さんに、呼び出されます。
そこは、テーブルとイスがあるような個室でした。テレビで見る刑事物の取調室のよう。暗くて、部屋の隅が見えません。
他の5.「光の玉」はいませんでした。
どうやら私だけ呼び出されたようです。
ここら辺が、補習っぽいと感じた理由です。
他の人も、同じ手続きを踏んだ可能性がありますが、確認できません。
望遠窓を使えなかったので、特別な配慮をしてもらったと感じました。
「かたじけねえな」とも、思いました。
私は、この時まで、自分が生まれる世界について全く知りませんでした。
そこで、見せられたのは、見開きの白い本のようなものでした。
左と右にそれぞれページがあり、白い背景に、黒い影がいくつか見えます。
よく見ると、その影は、顕微鏡で覗き込んだ時の細胞のように、小さく震えながら、動いているのです。
どうやらその影が、私の家族のようでした。
左右は忘れましたが、一つのページには、影が2つ。
もう一つのページには、影が4つ以上ありました。
私の人生計画に合う家族が2つ選ばれ、その中から1つを選べ。ということのようでした。
この時、私が考えたのは、「影の数に、自分の数は入っているのだろうか?」ということでした。
影の数がわかるだけで、人柄や関係性は見えてきません。
そして、私が選んだのは、影が多い方の家族でした。
「数が少ないと、関係が悪い時に、詰む。生き残れないかも。」
「数が多ければ、一人くらい気の合う奴がいるだろう。」
と思ったのが、理由でした。
これで、私の生まれ変わり手続きが終了し、生まれ変わることになります。
I love you.
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