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町工場に元気を!働くみんなに愛を!

株式会社田中務補(カネスケ)商店のたなかななです。

弊社の事業の8割は、【シャンク】と呼ばれる靴用の部品製造です。今回は、この【シャンク】事業進化に向けての取り組みの中で実施した、社外研修についてお話させていただこうと思います。

先日弊社を訪問くださった恩師・NNA株式会社の佐藤代表からのご紹介で、我々と同じ製造業を営む東大阪の永田製作所さんに、工場を見学させていただく機会を頂戴しました。永田製作所さんが扱う商品は、弊社と同じスチール製の部品です。少量多品種・短納期対応が強みというところも、我々と同じ。しかし永田製作所さんは一足も二足も早く、もともと有していた会社や商品の強みを磨き上げ、既存商品をさらに高付加価値商品へと転換させることに成功していていらっしゃいましたので、ぜひその過程や現場での取り組みを学ばせていただきたく、今回弊社スタッフ総出でお邪魔いたしました。


ここは本当に町工場なの?

永田製作所さんに到着した我々が最初に驚いたのが、
このウェルカムボード▼

ドリームキャンドルのイラストがかわいい!シャンクは靴の部品だから、靴のイラストまで!

東大阪の町工場の男らしいイメージが一気に覆された瞬間でした。(そういえば、我々も工場の一角でとてもメルヘンな【ドリームキャンドル】を製造しているのでしたね。そのギャップにこれまで多くの方にビックリされてきたことを、ついつい忘れていました。)

さて、このあと工場の中へご案内いただきましたが、ウェルカムボードに続き、町工場のイメージと異なることをさらに2つ見つけました。

現場で活躍する女性たち

1つめは、現場で作業している女性が多いこと。

1点1点時間をかけて検品する女性
ネジのネジ山を成形する作業も女性が行う

規則正しく動く機械でネジ山成形に打ち込む女性に、ふと疑問に感じたことを率直にお尋ねてしてみました。

「油まみれになるのに、なぜ手袋をしないのですか?」

すると彼女はこうお答えになりました。
「素手の感覚で商品の品質を守っているからです」

プロフェッショナルな魂に痺れました。
しかも、社長によると、彼女は自らこの持ち場を選んだそうです。稼げるようになりたいから技術を身につけたい、と!

永田社長は、従来男性がする作業であってもこの方のように「やってみたい」と声があがれば「ほな、やってみ」と背中を押すそうです。想いをもって仕事をする姿勢がベースにあるからこそ、品質は守られ高まっていくに違いありません。それは機械による大量生産では守ることができない、人の手により守られ高められていく品質で、まさに永田製作所さん独自の価値であり強みに他なりません。

例えば、いっぽうの我々の工場の製造現場は男性率100%です。「女性には現場の作業はタフ過ぎて難しいだろう」と考えた結果のパーセンテージです。今回永田製作所さんの実例を拝見し、一旦「現場は男性の仕事」という信じ込みを取り払ってもいいのではないかと感じました。もちろんすぐに現場で働く女性を募るというわけではありませんが、従業員が興味をもったことに対して男女関係なく誰でもチャレンジができる作業現場をクリエイトすることは、今すぐスタートできそうです。時代にも非常にマッチしていると思いますし、弊社でも取り入れる価値が充分にありそうだと感じた場面でした。

擬人化された機械さんたち

そして、町工場のイメージとは異なる2つめのことは、掲示物の多さです。

工場の中を歩いていると、あらゆる場所にさまざまな掲示物が貼られているところにすぐ気がつきました。

機械のことや機械を動かす人のことを紹介する掲示物
従業員を紹介する掲示物

永田製作所さんは、明るい工場づくりにも積極的です。現場に就く従業員のみなさんとそれぞれの機械に興味を持ってもらえるよう、個人や装置を紹介する掲示物が写真入りでたくさん掲示されていました。昨年広報部に着任した社長の姪っ子さんが、若い力で会社を盛り上げようと試行錯誤しながらさまざまチャレンジしているそうです。彼女は社内の様子をInstagramでも発信していて、古臭い町工場のイメージを払拭したいとおっしゃっていました。女性の活躍もそうでしたが、年齢や経験の垣根なく従業員の「やってみたい」「やってみよう」という気持ちを応援する社長がいて、チャレンジの気持ちはより好循環で回っていくのでしょうね。素晴らしい循環型モデルです。

そして、工場内に並ぶ機械1台1台に貼られた人の顔が映る写真による効果なのだと思いますが、機械がまるで人間みたいに感じらました。機械ってもちろん動力があって動いているものですが、永田製作所さんの機械においてはまるで命の宿ったロボット君たちがそこにいるように感じられたのです。

来てもらって強みを知る

永田製作所さんは、お客様に対しても我々のような希望者に対しても非常にオープンな姿勢で包み隠さずに工場を見せてくださいます。永田社長は、工場を見てもらい、そこで生まれる質問や感想にたくさんのヒントが詰まっているとおっしゃいます。これまでも、お客様の何気ないひとことから、自分たちの強みに気づくことが多々あったそうです。それは、自分たちがお客様のもとを訪れるだけでは得られなかった気づきだそうです。強みに気づくことができれば、さらに価値の高い商品を生み出すことにもつながります。ここにもいい循環のフローが見えてきます。

そして、永田製作所さんがいかに本気で工場見学を実施しているかが、この配布ガイドマップにも現れていました。

ワクワクが詰まったガイドマップ

業界違えど

今回永田製作所さんのご厚意で工場を見学させていただき、言うまでもなくたくさんの学びがありました。我々が属する靴業界とは異業種ではありましたが、大小さまざまな機械を扱う現場/独自の生産技術/手作業の全数検品などの共通点も見つかりました。永田製作所さんの実例に照らし合わせながら、実際それらをどのように弊社の強みとして打ち出していけるのか/働くひとたちのやりがいをどのように高め応援していけばよいのか/お客様や取引先との新しいコミュニケーション手段として工場見学を弊社でも取り入れられるのだろうか、などなど持ち帰ったヒントをどんどん弊社でも活かしてまいりたいと思います。

永田製作所様、貴重な学びに心より感謝申し上げます。

最後に全員で記念撮影!


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