見出し画像

『偽装の夫婦』

2015年 日本テレビ 水曜10時枠 全10話
出演:天海祐希、沢村一樹、内田有紀、工藤阿須加、坂井真紀、佐藤二朗、田中要次、キムラ緑子、富司純子ほか
チーフプロデューサー:伊藤響
プロデューサー:大平太、高明希、田上リサ
演出:深川栄洋、石尾純、日暮謙
脚本:遊川和彦
主題歌:What You Want (JUJU)

最近観ました。
一言でいえば、感激しました。
おもしろくて、どんどん続きが観たくなって、気づくと毎回泣いてる。
遊川さん、ありがとうと言いたい。

はじめに

脚本家・遊川和彦さんを初めて意識したのは2005年の『女王の教室』。
それ以前にも『魔女の条件』とか観てたけど、自分の年齢的なこともあってか、その頃は「脚本」とかまで意識してなかった。

そして、その『女王の教室』から10年を経て
また素顔を隠した主人公きたー!というのが最初の感想。
『女王の教室』の阿久津真矢が黒ならば、『偽装の夫婦』の嘉門ヒロは白なイメージ(というか服装がそう)。
まったく笑わない真矢とは反対に、ヒロはいつも作り笑いを浮かべている。心の中は真っ黒だけど(笑)

嘉門ヒロという役

天海さんって、刑事とか医者とか弁護士とか、バリバリ仕事してる役を演じることも多いわけだけど、こういう控えめな(偽りだけど)司書役、良い!
言いたいことを言えずに飲み込んじゃう感じや、超治に押されて体が傾いてる感じも良い!
そして天海さんがこんなに悪態つく役も珍しいのでは…と思えるほど
口汚いセリフをたくさんしゃべらせてくれておもしろい。
(しかも、黒画面で声だけで表現するのはなかなか難易度高そうだけど
声にいろんな表情をつけて飽きさせないのは、さすが天海さんの表現力。)
でも、なんだかんだ言って優しいんだよね、ヒロは。
すごい魅力的な人だなぁと、そりゃみんな惚れちゃうなぁと思ったわけです。
真矢みたいな人が実際にいても、ちょっと距離を置きたいけど(笑)ヒロとはお友達になりたい。
心を閉ざしたヒロも素敵だったけど、超治と別れた1年後はより美しくなっていて!ドキドキ。
タメ口で話しているだけでドキドキ。ギャップにやられた(笑)

天海祐希×沢村一樹

このコンビ、最高なんですけど。
コメディセンスもある2人だからこその雰囲気。そしてお似合い。
沢村さんのマシンガントークもお見事。ゲイ役もハマってる。

特に最初の頃、全然態度を崩さないヒロのことが、超治と同じようにもどかしくて。でも超治のまっすぐで前向きな姿にだんだんヒロの氷が溶かされていって、一緒にダンスしちゃうあのシーン。ヒロのかわいさ!尊い。
お義母さんと3人でカミングアウトしたあと、ヒロが家を出るシーンではヒロより先に泣いてしまった。。。
しかし「俺たち一緒にいると最強」って思える関係ってめちゃめちゃ貴重じゃないか。
超治が「ヒーーローー」って呼ぶところもすごく愛おしくて好き。

お二人は、この作品以降も、「ストロングゼロ」のCMで共演したり、「アガサ・クリスティ二夜連続ドラマスペシャル」でそれぞれ主演やってたり、サントリーのWEBCMでご一緒してたよね。
また共演してくれないかなぁ。

ふたりを囲む人たち

なんとも豪華で。
特に郷田家が大好きです。
キムラ緑子さんも、坂井真紀さんも、佐藤二朗さんもキャラクターが立っていて最高すぎる。
敬語を崩さないヒロが「八重ちゃん」「天ちゃん」ってちゃん付けで呼ぶのもよかったし。
この家族が出てくると笑えるし、心あったまった。そして8話には泣かされた。
坂井真紀さんは『ダブルキッチン』でのサバサバした役も好きだったけど
こういうわがままお嬢ちゃんみたいなのも似合うよねぇ。
そして、富司純子さんの奔放だけど憎めないお義母さん。素敵だなぁ。
天海さんと工藤阿須加くんは最近キントリでも一緒に組んでたけど、そっか、ここでも一緒だったんだなというのは発見だった。

ラスト

ヒロと超治には絶対くっついてほしかったけど
そうすると「やっぱり男と女がくっつくのか。ゲイだとうまくいかないのか。」
と視聴者に受け取られてしまうんじゃないかと、勝手に心配していた私。
でも、一番最後のインタビュー動画があったことで、男×男、女×女だって幸せだし、ゲイだけど女の人と結婚してもいいし、いろんなあり方があっていいよね、というのを見せてくれたのが答えだったなと思った。

おまけ

ピアノとバイオリンのテーマ音楽もいい感じだった。
音楽は違う人だったけど、『女王の教室』に近いものも感じた。
あと、ヒロの周りの氷を少しずつ溶かしていくオープニングもよかったな。超治がかわいくて。
あー、このふたりの物語をもっと観ていたかった〜。

ちなみに、ヒロが超治とお別れして「25年分の涙を流した」のと
いまやってる『となりのチカラ』で「11年堪えていた託也くんと清江さんの涙」という表現が
リンクしてちょっと嬉しくなったよ。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?