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#138 JIN(2009)-人情話の前編、展開の後編、私は前編派!

TBSチャンネル紹介文

村上もとかの人気漫画をドラマ化した感動巨編「JIN−仁−」第1期。ある事件がきっかけで江戸時代にタイムスリップした現代の脳外科医が、自らも幕末の動乱に巻き込まれていく。波乱の人生を送る主人公・南方仁を演じるのは大沢たかお。仁の現代での恋人・友永未来と、江戸・吉原の最上級位の花魁・野風の二役を演じるのは中谷美紀。幕末の江戸で仁の世話をし、公私共に支えになる武家の娘・橘咲を綾瀬はるか。さらに、仁とも深く関わっていく歴史上の人物・坂本龍馬を内野聖陽が演じる。最終回は平均視聴率25.3%を記録し、’09年度連続ドラマの最高視聴率を獲得。(瞬間最高視聴率は29.8%)また、本作は東京国際ドラマアウォード、ギャラクシー賞をはじめ国内外の賞を33冠を達成。さらに、2011年には完結編も制作された。

前編と後編の決定的な違い

前編を見逃した私は、後編からオンタイムで見始めました。歴史の変わり目に焦点を当てた壮大なスケールに魅入られ、最終回で号泣した私は、DVD全編を大人買いし、前編から見直したところ、後編とは異種の強い感銘を受けたにもかかわらず、後編は最終回以外、感動することなく、その後も、前編と後編最終回を繰り返し見直す日々が続いています。これは、前編では「命を救いたい」という主張が明確だったのに対して、後編は「タイムスリップの謎解き」と「幕末動乱」による展開に焦点が置かれていたためだと考えています。筋が分かっていても何度でも見たい前編、筋が分かってしまうと興味が失せる後編、そんな印象を持っています。

前後編ともに共通する会話シーン

前編の象徴、第8話(歴史の針が変わる)

喜一と死別するタエ(戸田菜穂)、コロリとの闘い、吉原の花魁・夕霧(高岡早紀)の死、ペニシリンの発明など、見どころ満載の前半ですが、私のイチオシは第8話です。病状の重い花魁・初音(水沢エレナ)を救うお金を稼ぐため、プライドを捨てて、歌舞伎役者・田之助(吉沢悠)に頭を下げる橘恭太郎(小出恭介)。男泣きする恭太郎を優しく包み込む南方仁(大沢たかお)と坂本龍馬(内野聖陽)。この名シーンに涙が止まりませんでした。

生真面目な恭太郎さん(左)

謎が解けなくても感動の嵐、最終回

最終回のハイライトはもちろん花魁・野風さん(中谷美紀)の手術ですが、南方仁、坂本龍馬、野風、橘咲(綾瀬はるか)の切ない四角関係が存分に生かされた回でした。雪が舞い散る中、仲間のもとを去る野風さんを見送るかのように流れる「逢いたくていま」(MISIA)。ラストシーンと雰囲気と余韻と楽曲が見事にマッチしていました。

おさらばえ~

何十回も見直した後編(2010)の最終回

深すぎて説明しきれないので簡潔にまとめますが、南方仁が元の時代にもどったあとの断崖絶壁で重症の咲を治せる現代の薬瓶を発見し、星空を見上げる恭太郎さん。余韻が深くて、良かったですね~。
現代に戻った南方仁が橘医院を訪ね、咲の子孫・橘未来(中谷美紀)から咲の便りを渡され、公園で読みながら号泣する仁。当然のことながら、音読するのは仁ではなく咲(綾瀬はるか)。記憶を塗り替えられたにもかかわらず、遠い過去から遠い未来に向けて、名も知らぬ〇〇先生への想いを綴った手紙の朗読。そして読みながら人目をはばからず号泣する仁。凄まじい最終回でした。

これ、これ!

余談ですが…(1)

最終回のロケ地に聖地巡礼してきました。まずは、咲の手紙を読んでいた本郷公園に行ってきました。極度の方向音痴なのですが、不思議と迷わずに到着しました。南方仁が号泣していたベンチに座って、物思いにふけってきました。そのあと、仁が江戸から現代に戻ってきた錦糸町公園の生垣にも行ってきました。さすがに恥ずかしすぎて、生垣に寝転ぶのはやめました。

余談ですが…(2)

つい最近までTBS金曜ドラマで放映されていた「不適切にもほどがある」にJINをオマージュしたかのような場面(階段を転げ落ちる阿部サダヲとそれを追う山本耕史)がありました。第1話で南方仁が江戸にタイムスリップするシーン、最終回でタイムスリップで江戸に戻れず泣き崩れるシーンを思い出しました。山本耕史さんもJINでは、南方仁の後輩医師として、最終回では存分に絡んでおられましたので、思わず思い出し笑いをしてしまいました。意図的な演出であったことを願います。

分かる人には分かる、分からない人には分からない




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