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アメリカでの生き方

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#グラント

競争に勝つ事が目的と化す

競争とは人生のあらゆる場面において不可欠なものです。競争=切磋琢磨、と考えれば質の良い結果を生み出せて生活・社会が潤います。程度の差こそあれ私たちは皆競争社会に生きる事を余儀なくされています。

アカデミアの人間、特にファカルティはその先端にいる、最も競争心の強くそして数々の困難に打ち勝ち続けていける性質の人間です。良い大学院へ行き、良い成績を収め、学位を取って安い給料で競争率の高いラボでポスドク

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国の政策・経済が大学の構造を左右する 2

前回、アメリカの経済力の低下が研究資金獲得の困難さを極めていると書きました。所謂入れ食い状態。

もう一つ忘れてはならないのがこのご時世ならではと言うのか、大統領の政策・公約、政党の思惑等でして、これも研究資金獲得率に大きく作用されている事を申し上げたい。

例えば女性運動家が台頭すれば女性研究者のグラント採択率があがる、BLMが台頭すればアメリカ黒人研究者のグラント採択率が上がる、ヒスパニック運

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国の政策・経済が大学の構造を左右する

前回アメリカのファカルティシステムについて書きました。

ファカルティの仕事として、講義、事務、有象無象の会議、優秀あるいはそうではない学生の指導、研究(実験指導や実験企画、試薬の選定と購入、データの解析解釈、論文や講演会での発表、トラブルシューティング)、そして最も苦痛で心身共に満身創痍になる研究計画書の提出、いわゆるグラントという政府機関に研究の資金提供をお願いするために提出しなければならない

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