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【ゼロから始める中医学】色彩の変化をみろ!〜血の病理〜

こんにちは、中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉

皆さんは血の病証があるかどうか考えるとき何を基準に判断しているだろうか?
「とにかく血虚の症状がいっぱいあるかどうか」
「血瘀は固定痛、刺痛とはじめに習ったからそれがあるかみる」
などだろうか?

それもいいかも知れないが、今回皆さんに提案するのは血の色彩がどう変化するかに注目して考えてみるというものである。
この考え方が出来ればより血の病証を判別しやすくなるのではと思っている。

血の生理作用は全身を栄養し養う作用である。
では病理はどんなものがあるのか。
そしてその時、血の色彩はどう変化するのかみていこう!

1.淡くなる…血の虚証

血の虚証には①血虚がある。

 ①血虚

血の不足あるいは滋養作用が減退した病態である。

【血虚の原因】
⚫︎飲食物の摂取不足・脾の機能低下による血の化生減少
⚫︎過労による血の消耗
⚫︎外傷や手術、出産などで大量の血を失う

血虚に限ったことではなく虚証は基本、必要量を摂取出来ていないor過剰に消耗していることで起こる。
虚証を疑った時はちゃんと摂取出来ているか、どこかで消耗しすぎていないか確認しよう!

在宅の現場で私たちが関わらせてもらう高齢者の場合は飲食物の摂取不足・脾の機能低下が多いと私は思っている。
高齢になるほど食欲は落ちやすく過労になるほど動くことはなくなる。
また、大量の血を失うほどの外傷を負った場合は速やかに病院に行ってもらうからである。

ただし手術を行なったことで血虚になる方もいるので既往歴は(手術時期も合わせて)しっかり確認しておこう!

【血虚の症状】
⚫︎眩暈・顔面蒼白
⚫︎動悸・不眠・健忘
⚫︎しびれ・痙攣・転筋(こむら返り)
⚫︎目のかすみ・視力減退・爪の変形
⚫︎経色淡白・経少・月経痛
⚫︎乾燥、つやの低下

血虚に起こる色彩の変化は滋養ができないことで色が淡くなることである。
血は血脈中を流れる赤色の液体である、当然その量が減れば色は淡く薄くなる。

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