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【ゼロから始める中医学④】減り下る!滞り上る!〜気〜病理編

こんにちは、どらごんです。
前回、気は絶え間なく運動している、動いている状態が正常な状態という話をした。

今回はそんな気がどうすると動けなくなるのか(病理状態になるのか)どんな症状が出て来るのかみていこう。

減少し落ちていく…気の虚証

気の虚証には①気虚、②気陥(きかん)、③気脱(きだつ)がある。

 ①気虚

気の量が減少して各種作用が機能しなくなった病態。
原因は飲食物の摂取不足や臓腑機能の低下による気の化生の減少や大病、長患い、過労などにより気が消耗されることで起こる。

症状には以下のものがある。
○倦怠、無力感:気が不足すると栄養が行きわたらず疲れやすく身体に力が入らなくなる。
○眩暈(めまい):頭部に栄養が届かないと発生する。
○息切れ、懶言(らんげん):宗気や肺気が不足すると呼吸や発声に影響が出る(懶言とは話すのもおっくうで面倒くさがること)
○自汗、易感冒:衛気が不足すると腠理の開闔が傷害され汗が漏れたり邪気が侵襲しやすくなる(自汗とは安静時でも汗をかきやすく少し動いただけでもより一層発汗する、じわじわと発汗し、なかなかひかない傾向がある)

 ②気陥(下陥)

気虚と気の上昇不能という2つの病理が重なって起きた病態。
下に落ちる現象がその特徴である。
原因は慢性的な気虚、過労、多産、産後の不養生などで気が損傷されることで起こる。

症状には以下のものがある。
○気虚症状:気虚より気機が失調した状態であるため気虚症状を伴う。
○胃下垂、脱肛、子宮脱:組織器官を正常な位置に保っておけないため下垂症状が起こる。
○慢性の下痢:脾の運化機能が低下すると飲食物の消化吸収が十分に行われずに小腸大腸に流れ込むため便がゆるくなる、また新たな気が化生されないため慢性化しやすい。

 ③気脱

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