わんとワンの物語 3
この島に「島時間」があるように、ここの空間には「ワンジカン」が存在してるのだろう。大晦日で島っちゅが浮かれていても5匹のワンには関係ない。いつも冬休みの少年たちと優雅なワンジカンを満喫している。
ワンたちにはまだ名前がないそうだ。
茶毛の大きい子から順番に1号2号3・4・5にしようとわんが提案したが、少年たちにあえなく却下された。それでもわんはこの命名が気に入っているのでそう呼ぶことにする。最初お父さんとお母さんの区別がつかなかったが、どうやら薄茶毛でいつも凛としている子が「ワン母」、となりで眠そうに横になっている濃茶毛の子が「ワン父」なんだそうだ。
ワン母は5匹のワンたちと一緒に少年たちをも見守るように幸せそうにいつもまっすぐな瞳で凛と佇んでいる。
明日はお正月だ。
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