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199DAY -高校生沖縄紀行 ③-

 朝の6時半ごろに目が覚めた。海で疲れ切っていた体も、ホテルでの快適な睡眠で立ち直る。窓の外はすでに明るく、広大な海が見え、朝の明るさがホテルを照らし出している。眼下の駐車場では、すでに車で出発しようとする家族も見える。海は青いが、よく見てみれば、いろいろな青が見える。緑がかった青や、暗い感じの青、その中間くらいの青、あらゆる細かい色彩が海を映し出していた。そして通る船が白い航跡を海面に靡かせ、時間と共に青に溶け込むように消えていく。

 朝はビュッフェだった。あらゆる食材がカウンターに並ぶ。パンやスープなどありきたりなものもあれば、紅芋を使用したポテトサラダなど沖縄特有の食材を用いたものもあった。どれも絶品であり、朝から充実した食事を嗜んだ。レストランからは、どの席からでも海が見えるようになっていた。食事を楽しみ、ふと横をみれば広大な海が見える。旅行客らに与える視覚的影響は大きい。実際自分も、そのうちの一人になってしまった。



 三日目の午前中は、本格的に海を楽しむ。目的地は、万座ビーチリゾート。ANAが運営しており、アトラクションや防護ネットなど設備も充実した海岸だ。昨日行った海は公共海岸なので安全用の防護ネットなどもなかったため、あまり浜辺から遠くまで泳げなかったが、今回は防護ネットがあるところまで、遠くまで泳いでいける。それから二時間ほど海で過ごした。今回はシュノーケルセットも持ってきたので、水中の様子も見ることができた。時折魚が眼前を横切ったりもして楽しかった。



 お昼は、ANAのホテルでいただいた。昼もビュッフェだ。こちらはバリエーションが朝のと比べて少ない代わりに、一つ一つの料理が凝っていた。そして沖縄特産の紅芋や豚、海鮮系もふんだんに使われ、何よりも朝と比べて人が全然おらず、快適だった。海で体力を消耗していたので当然腹もすき、食事は進みに進んだ。


 午後は、宿泊しているホテルに戻り、家族全員休んだ。海はやはり疲れる。全員ぐったりしている様子だった。かと思えば数十分たち、自分以外の家族は全員プールに行った。自分はとてもそんな気力はなかったので、部屋でゆっくりした。最高の景色を眼前にタイピングをするのも悪くない。

 晩御飯は、また別のホテルのレストランに移動して食べた。ホテルムーンビーチは、昔から沖縄のリゾート地であり、古き良き面影を今に残すホテルだ。そこで食べるバーベキューも非常に格別だった。味も何よりだが、沈みゆく夕日をバックにしているのがなんとも言えない雰囲気を醸し出す。食事を終えて夕日も沈んだ頃、家族で黄昏の空をバックに写真を撮る。この思い出、生涯に残る。



 ホテルに戻ると、少しながら雨が降ってきた。思えば、この二日目と三日目は両方雨の予報だった。こうして晴れに恵まれるのも運が良かった。運はいつ神様に使われるかわからない。だが神様は最高のタイミングで使ってくださった。

 明日は早くにホテルを出る。そして昼には沖縄を出て東京に向かっているだろう。お土産は何にしよう。今は疲れているし明日は時間がないので、そのくらいしか考えることができない。

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