熱血漢の大学の先生が面接でいった信じられない一言
大学の先生は人格者がなるものではなく、変人がなるものである。
これが今回お話しするエピソードから私が学んだことです。順を追って説明していこうと思います。
大学の面接
私は海外でポスドクという研究員をしております。日本で大学院の修士課程を終わらせたあとに、サラリーマンになるのを避けるため留学して、そのまま海外の研究所でポスドクになりました。
こんな不純なりゆうで研究者のはしくれになった私ですが、指導してくださった先生がたにめぐまれなんとかギリギリの成果をだして、ここまで生き残っております。
そんな私があるときに日本の大学の「助教」とよばれるポジションに応募したことがありました。助教というのは、大学の研究室のいちばん下のポジションで、ぶっちゃけ教授と准教授のざつよう係みたいなものです。
しかしうまくいけば助教→准教授→教授としょうしんしていくことができるので、その誘惑にやられて申し込んでしまったのです。
今では一ミリもなりたいとおもっていません。研究室の奴隷となって週6日1日12時間以上はたらきたいという人であれば話はべつですが、私はもっとのんびり平和にくらしていきたいです。
とにかく、そのときは海外にいながらその助教のポジションに応募したのです。その大学は理工系では日本でトップ5にはいる大学で、就職がひじょうに良いという評判です。(ただしなぜか全国的な知名度がひくいというふしぎな大学でもあります)
その大学に応募して、まず書類審査はぶじに通過しました。海外から応募があったということで、日本人ながらすこしおどろかれた記憶があります。
そして、面接にリモートでのぞむことになりました。
モニターごしの面接会場には、私が応募した学科の先生たち10人弱くらいがおられました。
面接内容は、まず私がこれまでしてきた研究と、もし採用されたらどんな研究と教育をしたいかについて30分くらいでプレゼンして、のこりを質疑応答で計1時間という面接でした。
プレゼンを無事に終え、問題はその後の質疑応答でおこったのです。
ある先生の一言
手をあげたのは、その大学界隈では熱血漢として有名なかたでした。私がじぜんにホームページで確認した情報によると、この先生のあこがれる人は松岡修造さんらしいです。
あつくるしいのがきたな。
私は根性論が大嫌いなので、正直にそうおもいました。
そしてその先生は、一旦私のプレゼンをほめてもちあげておいてから、私の教育歴の浅さに言及されて、そしてこう言いました。
はい?
洗脳?え、そんなの学生が行きたい場所を選ぶのが就活じゃないんですか?アドバイスをするにしても、学生が行きたい場所を決めて、そこでなにか助けられることがあれば助けるというのがいいと思うんですが。
みたいなことをやんわりオブラートにつつんで言った記憶があります。
するとその熱血漢の先生いわく、この学科にきたのだからこの業界に行くのがよくて、それ以外の業界に行かれるのはメンツがもたない。それにその業界はいま人材不足でくるしんでるので、学科が人を送れないと業界が困るらしいのです。
え?
まず学生の意思があって、それに沿ったアドバイスをするのが教育というものじゃないんですか?学科の都合で学生をゆうどうして就職実績つくって、それで学生があとで後悔してたらどうするんですか?
・・・(気まずい空気がながれる)
どうやらそういうことはあまり考えていないようでした。
もしこれを読んでくれているのが大学生だとして、学科の先生がとくていの業界や会社をあつく推してきたら、その言葉を信じられますか?
先生がこんなに熱心にいってるから大丈夫だとおもえますか?
今の時代、先生の言うことよりも外でいろんな情報が出回っているので、そんなに簡単に洗脳される学生はいないのかもしれないけど、それでも善意をもって近づいてくる人が実は自分の都合しか考えてない自己中やつな可能性もあると一度疑ってみてもいいかもしれません。
そもそも、大学の先生とは人間的にすばらしい人がえらばれるのではなく、研究業績がある人がえらばれます。そして、研究業績がある人というのは、往々にしていままで研究ひとすじの変人奇人がおおいのです。
もし変人奇人にアドバイスされたら素直にそれをききますか?
一度考えてみてもいいかもしれません。
では今日もすでに夜の8時なので、ここで書き終えたいと思います。ここまで読んでいただきどうもありがとうございました!
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