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文章が一瞬でロジカルになる接続詞の使い方 要約②-3「また~」

本書の2章
「あいまいな接続詞」の要約。

今回は「また~」です。

「また~」の役割

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「また~」の役割は
「前の文章に新しい内容を追加する」
ことにあります。

たとえば、以下のような文章で使います。

ブラックジャックは無免許医で、
法外な金額を要求することでも有名だ。
また、顔に大きな傷がある。

一文に情報量を詰め込み過ぎると
わかりづらくなりますが、
こうして分けることで
それぞれの情報をインプットしやすく
なります。

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注意点1.優先順位がつかない

「また~」は情報を足すときに
使いがちですが、1つ注意点があります。
それは「優先順位がつかない」ことです。

以下の2つの文章を比べて見てください。

1)冷え性改善には運動がよいと言われている。
また、食生活も重要だ。

2)冷え性改善には運動がよいと言われている。
ただ、食生活も重要だ。

「また」と「ただ」では
文章全体の意味に違いが出ています。

(1)では「運動」と「食生活」の
重要性はイコールです。
対して、(2)では「食生活」よりは
「運動」のほうが重要という
ニュアンスが強いです。

Web上で文章を書く場合
「何かしてほしいこと」があるか、
主張がある場合が多いです。

そこで、文章に偏りをもたせることで
自分の主張に誘導したり、
より重要なポイントを強調したりします。

ところが「また~」を使うと
同じ強さの主張が並び、
本当に伝えたい主張が
分散してしまいます。

「ただ」「とくに」など、
順位の強弱をつけられる言葉を使うほうが、
主張がより明確になります。

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注意点2.主張だけ並べて「それらしい文章」になってしまう

「また~」は前の文に情報を
付け足す目的で使います。
しかし、付け足しによって
主張にまとまりがない文章になる
可能性があります。

少し長い例文ですが、
以下の文章を見てください。

コロナウィルスに感染した疑いがある人全員に、
ただちに検査・隔離などの対応をおこなうべきだ。
このままでは感染は拡大し続けるだろう。
また、各都道府県でも不要不急の外出を控えるよう、
要請が出ている。
各自自宅待機のうえ、必要な人に必要な処置をとれば、
感染は終息に向かうはずだ。

長い、ということを差し引いても
わかりにくいと感じませんか?

その理由は、
主張だけが並べられているからです。

この文章には、主張が3つあります。

1)感染した疑いがある人全員に、
  ただちに対応すべき
2)そうしないと感染拡大は止まらない
3)自宅待機を守りつつ
  必要な処置を続ければ、
  感染拡大は防げる

しかし、それぞれの主張を支える
「理由や根拠」が不十分です。
そのため、読者は「理由や根拠」を
求めて読み進めますが
「また」と来て続くのは、
なんと新たな主張です。

こうなると読者は、
主張一つひとつの理由を推測しながら、
納得できる内容かどうか
読み解く必要があります。
これはとてつもないストレスです。

このように
「裏付けも書かずに主張だけを
並べるケースはよく見られる」、
という旨が本書でも述べられています。

私も例文のような文章を
書いていた覚えがあります。
書いている本人は「理由や根拠」の部分を
理解していることが多く、
自分ではそれらしくできているように
見えてしまうのです。

こうした事態を避けるためにも
「また~」という接続詞を、
文章の締めや結論といった
「主張を述べる」部分では
使用しないようにしましょう。

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「また~」は事実を伝えるときだけ使う

文章は一文が短いほうが
理解がかんたんです。
特に、説明が必要な内容では
一文が長くなりがちです。

すると、一文を短くする代わりに
「また~」とつなげてしまいがちです。

しかし、「また~」という接続詞は
注意して使わなければなりません。
気づかないうちに、主張があいまいで
わかりにくい文章ができあがる可能性が
あるからです。

「また~」を使うときは
事実を付け足すにとどめ、
主張が必要な場面では
使用しないようにしましょう。

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