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文章が一瞬でロジカルになる接続詞の使いかた 要約②

前回の要約①では、接続詞を使う
「理由」と「意義」
についてまとめました。

ここまで、本書の1章分にあたります。

2章からは、具体的な接続詞について
使いかたや注意点を紹介する
内容になっていきます。

まずは、あいまいな接続詞です。

接続詞は文章の流れを
明快にしてくれますが、
使いかたによっては効果を
発揮しないものもあります。


そうした接続詞は
「あいまいな接続詞」であり、
使用しない、または
使用を控えるべきとしています。

今回は「そして」
という接続詞について。

「そして」は事柄同士をつなげる接続詞

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「そして」という言葉は事柄と事柄を
つなげるはたらきがあります。
たとえば、以下の文章。

今日は学校へ行った。そして勉強した。

「学校へ行った」「勉強した」という
事柄どうしをつなげています。
この文章であれば自然で、
とくに問題はありません。

もうひとつ、例文をあげます。

一瞬、部屋が真っ暗になった。
そして、目の前に
「へんなおじさん」が現れた。

この文章も、とくに問題はありません。
「部屋が真っ暗になった」という事柄と
「おじさんが現れる」という事柄を
つなげています。

このように、
時系列が地続きの事柄同士をつなげる
場合に「そして」を使うのが
ベストな使いかたです。

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「そして」はなんでもつなげてしまう

「そして」は事柄と事柄をつなげる
接続詞ですが「何でもつなげられる」
という問題点があります。

たとえば、以下の文章。

今日は学校へ行った。
そして、夜はカレーを食べた。

文章としては成立していますが、
話としても成立しているかは疑問です。

なぜなら「学校に行った」ことと
「夜にカレーを食べる」ことに
相関性を感じられないからです。
学校に行ったのが朝だとしたら、
時系列も離れています。

このように「そして」という接続詞は、
事柄と事柄の関係性がうすくても
つなげることができてしまいます。

極端な話、以下の文のような
つなげかたも可能です。

今日はいい天気だ。
そして、私の家が燃えている。

さすがに、ここまで関係性がうすい事柄を
本気でつなげる人はいないでしょう。

以上のように「そして」を適当に使うと
「話はわかるが意味がわからない」
という事態におちいる可能性があります。

ただし、論理的ではなくても
イメージやニュアンスは伝わるので、
ギャグシーンではシュールさが増します。

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最大の問題点「順接か逆接か」ハッキリしない

「そして」の1番の問題点は
「順接とも逆接ともとれる」曖昧さです。

たとえば、以下の文。

先月の営業成績は部内トップだった。
そして、今月は最下位だ。

「そして」と来て、順接と逆接、
どちらの意味で読み進めましたか?

「先月の営業成績」と
「今月(の営業成績)」という事柄は
関連性が高いため「そして」でつなげても
違和感がうすいです。

しかし、内容は「最下位だった」なので
逆接の接続詞を使うほうが自然です。
そうしないと、最後まで読まないと結論が
わからない文章になり、
読者にとってストレスとなります。

念のため、順接として使っている例文も
確認してみましょう。

コロナウィルスの流行により、
マスクが不足している。
そして、私はマスクを持っていない。

やはり、順接でつなげても最後まで読まないと
ハッキリしない印象を受けませんか?
この場合も「だから」などに
置き換えるほうがわかりやすくなります。

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論理性を求められる文章では使わない

「そして」は関連する事柄同士を
つなげる、非常に使い勝手がよい接続詞です。

しかし「あとに続く内容を予測させる」
という目的では使えない接続詞です。

コラムなどで「そして」を使っているときは、
ほかの接続詞に置き換えたり、
省略できないか確認してみましょう。

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