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キングダムから学ぶ新型コロナウイルスとの戦い方

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漫画『キングダム』から学ぶことができる戦いのエッセンスを紹介します。新型コロナウイルスと戦う人々やこれから戦っていく若い世代の皆さまにシェアしたいです。
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#マジLOVEキングダム

【ネタバレあり】No.16 人を統べること

【ネタバレあり】No.16 人を統べること

挿絵39巻より引用

さて、世はコロナ時代に突入し、最初の大きな波が引いている状況である。被害の全貌が徐々にみえてきており、医療システムだけでなく、経済や教育が受けた衝撃の余波が明らかになりつつある。

キングダムでも首都咸陽は幾度となく攻め込まれるが、何度も何度も復旧する。ひとは困難に対して適応し、日常を取り戻していく。

さて、今回は人を統べるということについて書いてみたい。

キングダムは単

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No.11 キングダムから学ぶCSCA part4

No.11 キングダムから学ぶCSCA part4

写真は48巻から引用。

シリーズで書いてきたCSCAの最後、A:assessment 評価に入る。

C:体制を作り
S:安全を確保し
C:情報伝達を整える

キングダムだとしたら攻める武将をきめ、鎧や馬やら準備をして、伝令を配備したら、次はどうするか?

いきなり号令をかけて合戦が始まるだろうか?

作中では、

どのような戦い(城攻めか?合戦か?)
場所はどこか?相手の数は?
どこを通って向

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【ネタバレあり】No.10 キングダムから学ぶCSCA part3

【ネタバレあり】No.10 キングダムから学ぶCSCA part3

写真は15巻より引用

前回は【S:Safety 安全】について解説したが、次は【C:Communication 情報伝達】である。この情報伝達が災害対応において最も混乱と失敗を招く原因と言われている。

キングダムの中で情報伝達が勝敗を分けた戦いがある。それは王騎将軍が李牧に討ち取られた戦いだ。(コミックス11-16巻参照)

秦に対して李牧は自軍の存在を隠し続けた。そして楊端和が嬴政(えいせい

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No.5【ネタバレあり】王騎将軍の矛

No.5【ネタバレあり】王騎将軍の矛

※写真は16巻より引用。

今日は、20-30代の仲間たちにシェアしたい物語。

キングダムファンなら忘れられないストーリーとして、王騎将軍が往生する第172話がある。

王騎将軍とは。王騎将軍はキングダム前半に信の師となる天下の大将軍であり、六大将軍の1人として秦の代表的武将として軍を率いてきた。

皆様の職場や周りにも天下の大将軍と思われる人物は居ないだろうか?

東日本大震災や熊本地震をはじ

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No.4【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能 vol.2

No.4【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能 vol.2

No.3で武将の知略型と本能型の違いを説明した。

知略型同士の戦いは、鄴攻めの李牧vs 王翦(おうせん)に代表される。手の内の読み合いは凄まじい攻防であったし、知略型の戦いの利点や欠点が垣間見えた。本能型の戦いは王騎、麃公、信と龐煖の戦いであろう。知略型対本能型の戦いに学ぶことは非常に多く、コミックス27巻の麃公軍対趙軍の戦いはその代表となる。

武将には2種類あると言ったが、戦いにおいてはどち

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No.3【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能

No.3【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能

※写真は30巻よりお借りしました。

キングダムでは、信は天下の大将軍を目指して強くなっていく。

秦が中華を統一する物語としてキングダムは壮大であるが、奴隷として農村で働いていた少年が夢として抱いていた大将軍に駆け上がるストーリーにもまたロマンがある。

物語の中の武将には位があり、100人将から1000人将、3000人将、5000人将と上がり、その次が将軍となる。

1万人規模の軍勢を率いる将

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No.2 【ネタバレあり】鄴(ぎょう)攻めから学ぶ兵站(ロジスティクス)

No.2 【ネタバレあり】鄴(ぎょう)攻めから学ぶ兵站(ロジスティクス)

※写真は46巻よりお借りしました。

趙侵略の要として鄴を落とすべく進軍する秦軍だったが、最大の課題が兵站であった。
(コミックス46巻第496話参照)

兵站(へいたん)とは?
兵站という言葉は軍事用語であり、人が戦を始めてから近代国家の戦争に至るまで確立されてきた分野である。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/兵站

食料や武器、馬など、戦いを続けるために必要な

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No.1【ネタバレあり】蕞の戦いと地域包括ケア防衛戦

No.1【ネタバレあり】蕞の戦いと地域包括ケア防衛戦

※写真は31巻よりお借りしてます。

蕞(さい)の戦い(31〜33巻)
時間がないのでいきなり戦いの核心にせまる話から入る。

蕞の戦いでは、
1.嬴政(えいせい、後の始皇帝)が自ら城に入って飛信隊らと共に趙軍と戦った。
2.趙の李牧軍と戦ったのは民間人の兵士が多数であった。
3.楊端和率いる山の民が決め手となった。
4. 龐煖(ほうけん)を信が退けた。

蕞という城で何故壮絶な戦いが必要となった

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キングダムから学ぶ新型コロナ大戦

キングダムから学ぶ新型コロナ大戦

はじめに私は今、医療の現場で新型コロナウイルス(以下、コロナ)と戦っている真っ最中である。

関係者が『これは戦争だ』と表現するように、現場では感染防護具という名の鎧を着た我々医療スタッフが日夜コロナと戦っている。

感染防護具をつけてウイルス感染者をみるだけならそれは感染症診療の域をでない。

コロナが何故戦争と呼ばれるのかは、病院機能や地域医療、福祉の現場から、経済活動まで影響を及ぼし、かつ、

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