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【ネタバレあり】No.10 キングダムから学ぶCSCA part3

写真は15巻より引用

前回は【S:Safety 安全】について解説したが、次は【C:Communication 情報伝達】である。この情報伝達が災害対応において最も混乱と失敗を招く原因と言われている。

キングダムの中で情報伝達が勝敗を分けた戦いがある。

それは王騎将軍が李牧に討ち取られた戦いだ。(コミックス11-16巻参照)

秦に対して李牧は自軍の存在を隠し続けた。そして楊端和が嬴政(えいせい)に助言をしたときには既に李牧の手が迫っており、情報を伝えられなかったのだ。
体制の勝敗を決定するような重要な情報も早く正確に伝わらなくては意味がない。

災害時もこれが難しく、携帯やインターネットがダウンした場合、指揮所と現場や現場同士の情報伝達が難しくなり、うまく活動できなくなるのだ。だから、我々は衛星携帯電話や無線機等を使うし、それは活動前に誰がどのように使うかを周知するのである。

キングダムの戦いの最中でも情報伝達は非常に重要であることが見受けられる。

例えば、30巻函谷関の戦いで首の皮一枚で何とかなった情報が入る。このようにキングダムの戦では、常に『報告します!!』と疲れ果てた汗だくの伝令が走って登場し、現場がどうなっているかを報告する描写が入る。(挿絵は30巻より引用)

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これは戦の本陣でも同じであり、現場と指揮所の間には必ず伝令がいて、戦局を報告して大将が戦略を練り直す。

コロナ大戦も極めて情報伝達による混乱が生じやすい。

テレビもネットも電話も使用可能だが、情報で溢れており、何が正しいのか分からなくなりやすいのだ。
逆に本部は感染症に関するデリケートな情報を流すことをためらってしまうため、基本的には国や県はインターネット上に対策の方針や感染者の情報を公開している。
難しいのは本来現場で戦う指揮官は最低限本陣の戦略を理解したいところなのだが、CSCAがうまく構築されていないことから、『情報が降りてこない』『情報があがってこない』という不満が各地で聞かれるのだ。

また、キングダムのような伝令も今となっては感染リスクになるため、情報伝達は全て電話やインターネットに依存している。

この状況で自然災害が起きたら、と考えるとゾッとするわけである。

Dr.RISHIN

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