心臓血管外科医の道へ
学生時代に統合医療を目指そうと決意した私ですが、卒業してからはまだ当時は西洋医学の医師となるしか方向性はなく、心臓血管外科医としての道を歩みます。
心臓血管外科医は厳しいという話を聞いていたので、実際どういうところかを見学に学生時代回りました。
いろいろ見ましたが、一番決意させたのはカナダのトロントの病院に春休みを使って2週間滞在したことでした。
海外では日本とは違い手術などもある大きなところで集約されていて、トロントの病院では、毎日心臓の手術が6、7件行われていました。
しかも分業が進んでいて、メインの手術をする人、バイパス使う手や脚の血管だけをとる人、病棟だけを管理する人など、手術後はICUドクターが管理します。
だから外科医は手術に集中でき、症例数も多いのでスキルがアップします。
日本では、メインの医師以外はほとんど一人でやっています。それは誰も心臓外科医になりませんよね。
ただ、海外での見学ですごく楽しく見れたことで心臓外科医をやることを決意し目指すならここに来れるぐらいにやると胸に刻みました。
その後、海外との教育の上でのギャプを感じ、沖縄海軍病院の研修を受けにいったりして海外で将来働く意識が芽生えました。
海軍病院ではただの見学者の私をスタッフの一員としてオペに入れたりしてくれました。海外では実習生でも医療スタッフとして扱うのが当たり前であり、その時点で日本と海外の差を感じました。
その後、大学では国家試験の勉強も始まりましたが、一問一答みたいで本当に面白くもなく、有志を募って、海外のケーススタディの本を取り寄せ、それで症例検討の勉強会をしたのを覚えています。
医療者の意識を変えるには、やはりこの教育部分から変えていかないといけないと思いました。
そして、卒業後、京都大学心臓血管外科の医局に入りいよいよ心臓外科医としてスタートするのです。
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