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納豆好きに朗報! 納豆が骨に良いワケ

前回のnoteではは【Caに種類がある】
というお話でした。

みなさんもカルシウムサプリメントに配合されているのを
気づいたことががあるのではないでしょうか?

ビタミンKのお話です!
なぜ”骨を強くする”目的のサプリにはビタミンKが
入っているんでしょうか?


【ビタミンK】

ビタミンKの役割

まずはビタミンKの役割を説明します。
大きく分けて2つあります。

骨の石灰化を促進
骨や歯にカルシウムが蓄積されるのを促進する
オステオカルシンと呼ばれるたんぱく質を活性化します。

ビタミンDの主な機能の1つは、血液中のカルシウム濃度を
十分に確保することですが、ビタミンDだけでは
コントロールしきれない”カルシウムの行き先”を
ビタミンKもコントロールしていて、
ビタミンKは骨へのカルシウムの蓄積を促進します。

軟部組織の石灰化を抑制
マトリックスGLAタンパク質を活性化します。
このマトリックスGLAタンパク質は
腎臓や血管などの軟組織に
カルシウムが蓄積するのを防ぐ役割があります。

血管の石灰化は、塞栓を形成し脳卒中や心筋梗塞を引き起こしたり、
腎臓病などの慢性疾患の発症に関与しています。
なので、腎臓や血管の石灰化を抑制してくれるビタミンKの
この働きに関して、ビタミンKサプリメントの効果を調べる
研究が現在進行中です。


ビタミンKの形

ビタミンK1(フィロキノン)
ビタミンKの最も一般的な形で、
植物、特にケールやほうれん草などの葉物野菜に含まれます。

ビタミンK2(メナキノン)
ビタミンK2は、メナキノン-4(MK-4)とメナキノン-7(MK-7)
の総称で、動物性食品や納豆などの発酵食品に多く含まれます。

  • MK-4:レバー、脂肪、卵黄、チーズなどの動物性食品に含まれます。

  • MK-7:納豆、味噌、ザワークラウトなどの発酵食品に含まれ、
    腸内細菌によっても生成されます

近年ビタミンK1に比べK2の方が生理活性や効果が高いと
言われています。
また、MK-4はメナテトレノンと呼ばれる骨粗鬆症のお薬でもあります。

1日のビタミンK推奨量

ビタミンKを細かく分けるとビタミンK1やK2、MK-4、7などに
分けられますが、今のところ1日のビタミンKの摂取推奨量は
大きな括りでビタミンKの量となっていて、
成人の1日推奨量は、150mcgです。

※ただ、日本人が平均的に摂取している量をもとに
ビタミンKの大事な作用である、血液を固める働きのために
これくらいであれば問題ないのではないかとして設定された量で、
骨折予防にはもっと多量なビタミンKが必要と考えられています。

ビタミンK を十分摂取するには?

納豆のビタミンK

納豆にはビタミンK2が豊富に含まれています。
納豆1パックあたり300〜400mcgにも及びます!

納豆1パックを日々の食事に加えるだけでも、
ビタミンKの推奨量は簡単に満たすことができます!

先ほど書いたメナテトレノンというお薬は45mgを
1日3回に分けて服用します。
45mg=45000mcgなので、食事から摂れるビタミンK2
と比べたら圧倒的に多い量なのですが、今までこの用量でも
健康被害や副作用の報告がないことから、
ビタミンKの1日の上限は定められていません。

というわけで、必要なビタミンKをたった1パックで摂れる
納豆は最強だと思いませんか?!

ビタミンKの特徴

ビタミンKは脂溶性なので、
油と一緒に摂ることで吸収が良くなります。

例えば、納豆にオリーブオイルやエゴマ油などを
少量混ぜて食べるといいですよ!

納豆に油?と思うかもしれませんが、全然気にならないですよ!

!!ビタミンKの注意点!!

食事からビタミンKを摂取することの健康被害は
限りなく少ないですが、
【血をサラサラにするお薬である】【ワーファリン】を
服用している方は注意が必要です!!!

すごく簡単に説明すると、
ビタミンKはワーファリンと真逆の働きがあるので、
ワーファリンの血をサラサラにする効果が減弱してしまうのです。

アメリカでは、ワーファリンを服用している人でも、
ビタミンKを多く含む葉物野菜や納豆を食べないでくださいとは
言いません。ただ、ワーファリンの効果が日々
増強したり減弱したりしないように
葉物野菜を毎日の食事に取り入れる場合は、
なるべく毎日同じくらいの量にしてくださいとアドバイスをしています。

ただ、ワーファリンはビタミンKとのバランスで、
作用が強く出ると出血などの重大な副作用があるので
現在ワーファリンを服用中の方は、食事からビタミンKを摂取する
場合でも主治医に必ず相談してくださいね!

まとめ


ビタミンKはビタミンDと同じように、
カルシウムの代謝に大事な役割を担っていて

ビタミンKとDはチームで働いています。

ビタミンKは骨にカルシウムが蓄積するのを助ける働きがあります。
なので、骨の健康・強化を目的としているサプリメントには
カルシウムにプラスしてビタミンDとKが配合されたものがあると
いうわけです!

私たちの身近にある納豆はビタミンKが手軽に摂れる
スーパーフードです!

最後に


今後「ビタミンKの摂取量と骨折のリスクに関して」
分析した論文を紹介しながら納豆のスゴさを
見ていきたいと思います!
ご興味のある方はぜひ読んでみてください。
Moet



参考文献
Hauschka PV. Osteocalcin: the vitamin K-dependent Ca2+-binding protein of bone matrix. Haemostasis. 1986;16(3-4):258-72. doi: 10.1159/000215298. PMID: 3530901.

Schurgers LJ, Vermeer C. Determination of phylloquinone and menaquinones in food. Effect of food matrix on circulating vitamin K concentrations. Haemostasis. 2000 Nov-Dec;30(6):298-307. doi: 10.1159/000054147. PMID: 11356998

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf



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