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自分で決断すること。決断に責任を持つこと。【女医が思う子育て#10】

こんにちは。くんぱす先生です。
医師として働きながら、2児の子育て真っ只中です。

以前、義母に指摘されたことで『こういう考え方ってマイノリティーなのかも。』と自分の考え方に対して得た気づきがあったのでこちらに書いてみます。
みなさんは共感いただけるでしょうか?

長男が私立小学校に入学して数か月経過したある日。
いつものように朝、自宅から自家用車で少し離れたローカル線の駅まで送っていきました。
『着いたよ~』と後部座席を振り返ったとき、

あれ!? 履いている靴、違くない?

通っている小学校は黒い靴指定の学校です。
その日、長男が履いていた靴は普段履きのグレーのスニーカーでした。

あ~!!どうしよう、、

と涙ぐむ長男。
『んー、まあ、いいんじゃない?』と私。
長男『いやだ!家に履き替えに戻る!』
私『でも、遅刻しちゃうかもしれないよ?』
長男『うえ~ん、、、泣』

考える私。
『じゃあ、どっちか自分で選んでごらん。
 1つめは、遅刻しちゃうかもしれないけど家に戻って履き替える。
 2つめは、このまま登校して先生に履き間違えたことをお話する。

 どっちがいい?』
小学1年生になりたての長男にとってはどちらも多少酷な選択ですが、やむを得ない状況でした。
長男はすかさず、『遅刻しても履き替えに戻る。』と言いました。

『分かった。』
そう言って、自宅まで車を走らせる私。
すぐに履き替え、また最寄り駅へ。
『遅刻してもいいから焦らないで行くんだよ。先生もママもあなたが安全に学校に行くことが一番嬉しいんだからね。遅刻なんて全然気にすることないからね。』
と念を押して送り出しました。

私も仕事に間に合うかどうかギリギリの時間になってしまいましたが、どちらの選択をするにせよ、【責任を取るのは本人になる】と感じたため本人が選んだ選択を尊重しようと思っての行動でした。
①を選んでも、遅刻するかもしれないという責任。
②を選んでも、先生に説明して謝るという責任。

大切なのは【本人がその責任を取ることに納得できているか】だなと思うのです。

その話を当日義母にする機会があり、何の気なしに『こんなことが朝あって~』と話したら驚かれました。
義母『私だったら、いいからその靴のまま行きなさい!って無理やり行かせちゃうわ。』

そうか、、
でも無理やり行かされた本人はその後どんな気持ちだろう、と想像すると、私は本人に決断させて、その決断の責任を自分で負うという選択は間違っていなかったのではないかと考えます。

結局、普段乗っている電車がだいぶ余裕を持った早い時間の電車であったため、何本か後の電車に乗りましたが遅刻せずに済んだそうです。
きっと、この日の経験は長男にとって忘れられない経験を積めた日になったのではないでしょうか。

思えば、人生ってこういう小さな決断の積み重ねでできているようにも思えます。
『今日なにを食べるか。』
『雨が降るかもしれないけど、傘を持っていくか否か。』
『半袖で行くか、上に羽織を着るか。』
自分の小学生時代を思い出しても、『あー、お母さんの言うように傘持ってくればよかった~。』と後悔する日、ありませんでしたか?
それでも、自分で『荷物が増えるから持って行かない。』と決断したので、雨に濡れて帰っても納得できているんです。
逆に、誰かに決められてそこに自分の意思が反映されてない場合、同じ状況でも『だから嫌って言ったのに、、!』とずっとグチグチ気にしていませんでしたか?

そして、大人でもこういう思考の人は少なくないと感じます。
決断を他人に任せる人は、自分の思うように進まないとき決まってこう言います。
『こうなったのは〇〇のせいだ。私はそう思わなかったのに。』

私は研修医のとき、怖い心臓血管外科の先生にICUでこう問われたことがあります。

『なんで、医者って高い給料もらってるか分かるか?』

私は突然の怖い先生からの質問に、えーっと、、と固まりました。

『【判断すること】に払われてんだよ。』

その後、何年もこの言葉を忘れていません。
事あるごとに思い出す、私にとって大切な言葉を頂いたと思います。

我が家でよく飛び交う言葉
『ねえ、あなたはどう思う?』
『あなたはどうしたい?』

ここで、私の思惑とは違う答えが返ってきても、子ども自身に関する事柄であれば子どもの意見を尊重して引き下がるように意識しています。

【自分で決断すること、その決断に責任を持つこと】ができる大人に成長して欲しいと思っています。

親が子よりも先に決断し、先回りをして失敗しないように誘導する。
それを繰り返すと、子どもは考えることをやめる。
考えない子は、他人に決断を委ねる。
この負のループにならないよう、たくさん失敗して考えさせましょう!
傘を忘れてずぶ濡れで帰ってくればいいじゃないか。
上着を忘れて寒くて次の日風邪ひいて学校休めばいいじゃないか。
そう思えたら、親も肩の力が抜けますよね。
『お母さんも小学生のとき、同じようなことあったわ。親ってうるさいけど、結構的を得てるときもあるよね~。』と同じ目線で語ったら素敵ですよね。

なんだか子育て最近うまく行かないな、ってときは客観的視点に立つ力を子育て本に借りています。
どんなにベストセラー本であっても、あくまでも他人が書いた本であって、私でもなければ我が子を見ている人が書いたわけでもないので、『なるほどな、参考になるな』と思える部分のみ吸収する程度でいいと思うんです。
ここでもまた、盲目的に本に書いてあることを実践してうまく行かずにその本のせいにする、、となっては本末転倒ですからね。

『世界標準』っていう言葉にすごく違和感はありますが、いや異論?はありますが、中身は参考になる部分も多いかと思います。
この本は私は図書館で借りて読んだ気がします。
最近こういう表紙の子育て本が流行っているのかな。

こちらは紙媒体で購入して読みました。
また『世界一』とか言葉にはひっかかりますが、、
子育てに『標準』も『世界一』もないでしょ、と思うのは私だけでしょうか。

細かいところに突っ込まずに『いいこと言ってるな』と思える部分に一か所でも出会えれば、その本を読んだ価値はずいぶんあると思うのでたくさんの本に触れるようにしています。
自分がそこまで惹かれない本でもベストセラーなど多くの人の目に触れているものには手を出すように心がけています。

お読み頂きありがとうございました!

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