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新型コロナ時代にカミュの「ペスト」を読む

新型コロナウイルス感染症が蔓延しだしてから,いずれ読もうと思いつつ,なかなか機会(というより気持ち)がなかったが,いよいよ読んだ.ノーベル文学賞受賞者であるカミュの「ペスト」だ.

ペスト
カミュ,新潮文庫,1969

話の舞台は,アルジェリアのオラン市.カミュはアルジェリアで生まれた.あるとき,市内で次々に鼠の死体が発見されるようになり,続けて,原因不明の熱病が人々を襲う.ペストだ.封鎖され孤立した街で,様々に生きる人々が描かれている.絶望的な状況にあってペストに向き合う医師,たまたま街に来ていて封鎖に巻き込まれた人,開放を心から喜べる人と喜べない人.

新型コロナウイルス感染症でも大勢の人が亡くなっているが,その巨大な数字を構成する一人一人にその人生がある.そんなことを噛み締めながら読んだ.

© 2021 Manabu KANO.

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