見出し画像

三体のアイディアが詰まる劉慈欣短篇集「円」で久しぶりのSFを楽しむ

タイトルの通り.久しぶりにSF小説を読んだ.計13の短編が収録されていて,その中には印象に残った作品も残っていない作品もあるが,総じて,発想が凄いなと思う.

円 劉慈欣短篇集
劉慈欣,早川書房,2021

とりわけ吹っ飛んでいるのは「郷村教師」か.貧しい村の名もなき小学校教師による「最後の授業」が銀河炭素生命連邦艦隊の行動を左右するとか.

円円みたいに,何かに熱中し続けて,自由に熱く生きるのもいいなと思った.

「円」は最後の作品のタイトルだが,円周率の円だった.不死を求めた秦の始皇帝と円周率がこんな風に結びつくとは.

科学を基盤にしつつも,圧倒的に荒唐無稽な空想科学小説群だった.面白かった.

目次
鯨歌(鲸歌)
地火(じか)(地火)
郷村教師(乡村教师)
繊維(纤维)
メッセンジャー(信使)
カオスの蝶(混沌蝴蝶)
詩雲(诗云)
栄光と夢(光荣与梦想)
円円(ユエンユエン)のシャボン玉(圆圆的肥皂泡)
二〇一八年四月一日(时尚先生)
月の光(月夜)
人生(人生)
円(圆)

© 2022 Manabu KANO.

この記事が参加している募集

読書感想文

宇宙SF

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?