コエンザイムQ10の「還元型」とは?
コエンザイムQ10は疲労回復や活力の成分として知られる成分です。
実は片頭痛の頭痛予防効果も報告されており、頭痛ガイドライン2021にも記載されている数少ないサプリメントの1つです。
他にも、ダイエットやアンチエイジングなど多様な効果が期待されます。
コエンザイムQ10の基礎については過去にまとめていますので良ければご覧ください。
いざ、コエンザイムQ10を購入しようとすると、2種類販売されていることがわかります。
「コエンザイムQ10」と「還元型コエンザイムQ10」です。
還元型は通常とどう違うのでしょうか? どちらを購入すべきでしょうか?今回は還元型コエンザイムQ10についてまとめます。
還元型コエンザイムQ10とは?
通常のコエンザイムQ10はユビキノン、還元型コエンザイムQ10はユビキノールとも呼ばれています。
食べ物に含まれるのはユビキノン(通常型)です。
ユビキノンは僕たちが摂取すると小腸で吸収され、その際にユビキノール(還元型)に変換されます。
実際に細胞内でエネルギー代謝の役に立ったり、抗酸化作用を発揮するのはユビキノールなのです。
つまり、、
還元型コエンザイムQ10(ユビキノール)のサプリメントは、
"本来の役に立つ形で摂取し、小腸で変換する手間がないので、より効率的に体内で利用されることを意図して作られたコエンザイムQ10"
と言えます。
コエンザイムQ10を還元型で保つことがひと昔前は技術的に難しかったようですが、最近では可能になってきたようです。
還元型の方が優れているの?
結論
”還元型の方が優れているっぽいけど、通常型で十分な人も多そう"
と言うのが現状の研究を踏まえた見解です。
なんとも微妙な言い方ですが、順に解説します。
過去のコエンザイムQ10の頭痛への効果を示した研究は別に還元型に限ったものではない。
前回の記事でコエンザイムQ10の効果を示したレビューを紹介しました。
それらの研究は、通常型で行われたものがほとんどです。
還元型はまだ市販されて間もないからです。
通常型で十分な効果が示されているのであれば、還元型にこだわる必要はないかなとも思います。
通常型と還元型の頭痛への効果を比較した十分な研究はまだない。
還元型はまた市販されて間もないこともあり、まだ還元型に限った研究というのは少ない印象があります。
理屈で言えば、還元型の方が効率的に吸収され効果を発揮するはずです。
一方、どうせ小腸で還元型に変えられるのであればどっちを口に入れても変わらない気もします。
頭痛への効果の比較は現状の研究ではなんとも結論が出ていないようです。
吸収効率は還元型がやっぱり良さそう。
小腸でコエンザイムQ10は還元型に変えられるとのことでしたが、年齢とともに還元型に変換する働きは低下することがわかっています。
と言うことは、年配の方は還元型をより摂取した方がいいのかもしれません。
(株)カネカが行った面白い研究がありました。
健常な老若男女に通常型(ユビキノン)と還元型(ユビキノール)のコエンザイムQ10をそれぞれ摂取させ、その後24時間のユビキノールの血中濃度の推移を測定した研究です。
結論としては、ユビキノールはやはり、ユビキノンを摂取するより吸収効率が良かったようです。
また、高齢者だからといって摂取効率が下がることはなかったようですが、ユビキノンの吸収性には個人差が著しく、吸収が苦手な人がいる可能性が示唆されました。
一方で、ユビキノールではそのような個人差は目立ちませんでした。
つまり、通常型は一定数吸収が苦手な人もいるけど、還元型はどんな人にも一定の吸収が期待できる点で優れていると言えそうです。
結局どっちをオススメするの?
”還元型の方が優れているっぽいけど、通常型で十分な人も多そう"
と言うのは、別に通常型のサプリであっても吸収効率が良い人は十分なユビキノールを摂取できるからです。
ただし、自分が吸収効率の良い人かわからない以上は最初から還元型を買う方が無難かと思います。
もし、通常型を飲んであまり効果を実感できなかった時に、
「コエンザイムQ10が体に合わないから」なのか、「通常型をうまく吸収できていないから」なのかの判断がつきにくいからです。
一方、やはり技術的に高度な還元型は通常型より割高な値段になってますのであとは経済的な判断かなと思います。
通常型を3ヶ月程度試してみて、効果がイマイチなら還元型に変えてみるというのも現実的な選択肢と思います。
いずれにしても、良いことがたくさんある成分なのでぜひ一度試してみてください!
具体的なサプリの比較やおすすめはまた別の機会で行います!
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