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コエンザイムQ10と頭痛予防

こんにちは、Dr.ひふみです。
ドラックストアなどでコエンザイムQ10のサプリを見たことがありますか?

活気が出るサプリとしてご年配の方はご存知の方も多いと思います。
若い方は聞いたことがないかもしれません。

実はコエンザイムQ10は頭痛予防効果が期待されるとして、頭痛ガイドラインでも推奨されている成分の一つです。

今回はコエンザイムQ10の効果と安全性、用法などをまとめます


コエンザイムQ10とは?

コエンザイムQ10は、身体中の細胞の中にあるミトコンドリアという器官で働く補酵素です。
ミトコンドリアはヒトが活動する上でのエネルギー産生の役割があります。
コエンザイムQ10が活動的に生きるためのサプリとして販売されているのは、エネルギー産生の効率化が期待されているからなんですね。
コエンザイムQ10は他にも抗酸化・抗炎症作用も認められている成分です。

なんで頭痛に効果があるの?

コエンザイムQ10は片頭痛に対し、

ある程度の予防効果が期待できる

頭痛予防ガイドライン2021

とはっきり記されている数少ないサプリの1つです。

2021年のメタアナリシス(信頼性の高い研究)では、
コエンザイムQ10は頭痛の重症度を下げる力は乏しいものの、
頭痛の頻度や持続時間を減少させることが報告されています。

なぜコエンザイムQ10は頭痛予防効果が期待されるのでしょうか?
正直詳しくはわかっていませんが2つほど説があります。

1つ目はミトコンドリアの機能低下が片頭痛の発症に関わっている可能性があるからです。
ミトコンドリア病というミトコンドリアの機能障害を持つ患者さんは片頭痛っぽい発作を起こしやすいことが知られています。
また、母親の片頭痛はより子供に遺伝しやすいことも知られています。(ミトコンドリアは母から子供に遺伝する。)
2つ目は身体の炎症や酸化ストレスが片頭痛の発症に関わっているからです。コエンザイムQ10は血中の炎症値や酸化ストレスを和らげる作用があることがわかっています。

詳細な原理はまだ解明されていませんが、片頭痛持ちの患者さんの多くは実際に血中コエンザイムQ10が低下しているとの研究があります。
様々な研究から頭痛に対してコエンザイムQ10を摂取する有効性はかなり確立していると考えます。

安全性や摂取量は?

これまでの頭痛への有効性を示した研究を見てみると1日1~3mg/kg程度の摂取で有効性が示されているものが多そうです。
市販のサプリなんかをみると大体1日100mgくらいに設定されており、丁度良いくらいかなと思います。
コエンザイムQ10は安全性がかなり高い成分と言われています。
日本人の研究では、1日1200mgの摂取でもほぼ副作用がなかったとのことであり、100mg/dayの摂取はほぼ無害と言ってもいいかもしれません。

コエンザイムQ10は食事で言うと動物性たんぱく質(特に心臓や鶏もも肉、さんま)、穀物、果物など幅広い食物に含まれています。
ただし、コエンザイムQ10 100mgを食事で摂取するために牛肉なら3kg必要でとのことで、あまり現実的でないかもしれません。
狙って摂取をするならサプリを飲むのが無難でしょう。

頭痛予防以外にも期待できる効果

エネルギー産生に携わる成分であり、慢性疲労への効果が期待されます。
これは結構信頼性の高い研究も多いです。
頭痛持ちの中には慢性的な疲労・ストレスを抱えている方も多く、疲労感を伴う頭痛持ちの方には一石二鳥かもしれません。

エネルギー産生効率の高まりからダイエット効果も期待されますが、現状では根拠は乏しいと考えます。

コエンザイムQ10の抗酸化作用・抗炎症作用は確立していることから、
アンチエイジング効果が期待されます。体内のコエンザイムQ10は年齢とともに減少していくことが分かっています。

他にも慢性心不全の改善や骨粗鬆症への効果、悪玉コレステロールを減らすなど、色んな効果が言われています。
研究の信頼性は様々なのでおまけ程度に考えます。

どんな人におすすめ?

以上より、コエンザイムQ10は次のような方におすすめです。

  • 慢性の疲労感を伴う軽度〜中等度の頭痛

  • 頭痛予防にアンチエイジング・ダイエット効果も期待したい人

  • 体力低下を自覚している中高年

などなど、全年代の皆さんにおすすめできるサプリと思います。
重度の頭痛への劇的な効果は期待しすぎない方がいいかもしれません。
副作用が極めて少ない成分なので、経済的に許されるのならまずは3ヶ月程度試して効果を確かめることを個人的におすすめします。


・追記
初めてのnoteで調子に乗って一気に書きすぎました笑
市販のサプリの比較などもう少し書きたい内容があったのですが、、、
また別の機会にします!
次からはもうちょっと小分けにしていきます。

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