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医者は何も知らない?

以前、某雑誌で「薬剤師の大淘汰」という特集が組まれていました。この特集では「2045年には12万人の薬剤師が余る!」とか、「これまで通りの経営では多くの薬局が潰れる!」とか書かれていました。
国が医療費を削減したいことは皆が知ってるし、医療業界全体(医者も例外ではありません)がこのままの状態ではやっていけない事は分かっているので、特には驚きませんでした。

先日、Twitterで「薬剤師は薬を袋詰めしてるてるだけ」みたいなツイートがあって、何やら炎上?してました。
僕個人としては普段から薬剤師さんにはお世話になってますし、その専門性の高さは知っているので、袋詰めしてるだけとは思わないんですけど。
一般の方からしてみれば薬剤師さんは医師の指示通りに薬を袋詰めしてるだけって思われてるのかな、って思いました。

そんな中で下にあるツイートもバズってました。

スクリーンショット (9)

これを見た時の正直な感想は「こんなの当たり前な事に何で皆は興味を持つんだろう?」です。

僕らからしてみれば、医師が出した処方箋が間違っていて、薬剤師さんに突っ込まれて「すんません」って修正してもらうことは日常茶飯事で、(これを疑義照会と言います)医療現場ではあるあるです。
これがバズった背景には一般の方の中には「お医者さんは処方なんて間違えないだろう」とか「薬剤師さんって医者の処方箋通りに薬出してるだけでしょ」って思ってる方がいるって事なんだと思います。

僕自身、患者さんと接していてたびたび思うことは「医療においてはお医者さんは万能、何でも知ってるはず」って思ってる人が多いということです。採血は看護師さんより医者の方が上手なはず、それと同じように薬剤の知識も薬剤師より医者の方がよく知っているはず、とお考えの方も多いのではないのでしょうか。

確かに実際の医療現場では薬剤師や看護師は医師の指示がなければできないことは多いです。ただそれは資格や権限の問題であって、医者が他の職種より知識があるからではありません。医療の世界では、患者さんを取り囲むようにたくさんの専門家がいて、より専門性の高い医療を多方面から患者さんに提供できるようになっています。

医者はその「いち専門家」であって、患者さんの受けるすべての医療に関する知識を網羅している訳ではないのです。専門分野によっては医者のくせに何も知らないなんてことはたくさんあります。


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