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旅のち、ふしぎ

 旅が好きだ。
 知らないところ、あるいは何度も訪れてはいるが、住んでないところ。
 そんなところを歩くことが好きだ。
 自分をとりまくノイズが少なくなり、何よりもそこには、発見がある。

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たとえば写真の風景、河川敷の一角に杉の木が一本。その周りには平垣。
 この風景は福島県の安達ケ原。とおい昔、安達ケ原の鬼婆が住み着いているとされ、退治され葬られた場所がこの風景がある黒塚だ。
 河川の治水工事があり、周りの風景は大きく変わったが、さすがに塚ということもあるのだろう。祟りを恐れてか、この場所だけが残されている。 
 千年以上も前の伝説が残る場所。その時、旅行とは距離だけでなく、時間も旅することになる。

 だから旅と同じくらいに不思議な話が好きだ。伝説、オカルト、都市伝説などなど、非日常的な話は、まちがいなく日常からの旅だ。
 旅、不思議な話を通して、様々な発見と出会う。そんな話をしてみたい。

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