【怪異譚】記念写真
先日、初孫が出来たと喜んでいた、三宅さん(女性)から聞いた話。
三宅さんが以前つきあっていた人とその仲間たちで海に遊びに行った時のことだ。
三宅さんの彼氏は、仲間たちと海岸にあった灯台岬に登りっていたのだが、酔っていたせいか階段を踏み外してしまい、運悪く、海に落ちてそのまま帰らぬ人となったらしい。
その悲しい事故が起こる直前に仲間みんなで浜辺で撮った記念写真があった。
恋人の死後、数ヶ月後に三宅さんが写真を見ると、奇妙なことがあった。写真を撮った時の恋人はショートカットだったはずなのにその時は耳を隠すほどに髪の毛がのびていたというのだ。
そのとき三宅さんは思いだしたことがあった。
恋人は吉田拓郎の「結婚しようよ」が好きでよく歌っていたな、と。
♪僕の髪が肩まで伸びて 君と同じになったら
約束通り、街の教会で結婚しようよ Hmm
なんだか怖くなり、三宅さんは写真を近くの寺に渡し処分してもらったということだ。
40年も前の話ではあるが、三宅さんがその写真を処分しなかったら、今頃どうなっていたのだろうか?
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