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【怪異譚】部屋の隅

 部屋の隅には埃がたまりやすいので、まめな掃除が必要だということはご存じであろう。
 しかし、あまり知られてないことではあるが、埃以上に溜まりやすいものがある。
 ”魔”とか”邪気”と呼ばれるものだ。

 良くないことが続いた時に部屋の隅に盛り塩を置いたりするのが良いというのは、その典型的なものだ。
 まだ、子供が壁に向かって話していたりするのも、このような者の呼びかけに答えているということが多々あるようだ。

 とりわけ、ここ最近の住宅では、住宅内の空気を循環させるために、部屋の隅に換気口が置かれ、埃などを吸い込みやすい構造になっている。
 その換気口には、埃とり用のフィルターが付いているが、3か月も経てば埃で一杯になる。

 換気口を掃除しなければ、埃も邪気も溜まりやすくなる。
 ましてや、その換気口の周りに障害物など多くなれば、余計に溜まりやすくなるだろう。

 お気づきだろうか。部屋の隅に作られたクローゼットが、まさにその状態であると。
 設置タイプでなく、備え付けのクローゼットは、換気口が中に置かれていることも多い。
 そして、通常は扉で遮断されている。そんな中で悪い気が溜まっていく。

 最近、クローゼットで、自らの命を絶つなど、不幸な事故が相次いでいるが、関係があるのかもしれない。
 何にせよ、クローゼットも、マメな掃除をし、時には風通しを良くするとよさそうだ。

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