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【怪異譚】見えない殺戮者

 スコットランドのある海岸では、子供だけでは入ってはいけないと言われているところがあるという。
 子供だけで、海で遊んでいると、突然、その中の一人がいなくなり、やがて別の場所で、悲しい姿となって浮かんでいるのが発見されると。

 日本でいうと、海女を海に引きずり込む妖怪”ともかづき”のような現象で、現地では”見えない殺戮者”と呼ばれている。

 これは近年ではイルカが子供をイタズラ目的で殺しているのではないかとされている。

 海外ドラマなどで人間とイルカが戯れる姿が描かれることがよくある。その姿は微笑ましくもあり、イルカが人間に対しても愛情あふれる動物のように見える。

 しかし、そう思って遊泳中に不用意に、イルカに近づき、噛まれたり、体当たりされて大けがを負ったり、そのまま、水中に引きずり込まれ命をおとしたりという事例がいくつもある。
 ただ、イルカの見た目の可愛さのあまり、誰も信じずに、公にされていないということだそうだ。

 実際のところ、バンドウイルカで言えば、およそ300キロの体重で、水中を時速30Kmの速さで泳ぎ、1日、15キロもの魚類を食す、どう猛と言ってもいい動物なのだ。

 さらに言うならば、見識者からすると、頭がいいといっても、利口ではなく、狡猾という表現の方がふさわしいらしく、イルカ間での幼児虐待やイジメなどが観察されることがあるという。

 イメージが選考するあまり、不幸な犠牲が知らず知らず生み出されている事例である。

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